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元気堂の漢方薬通信
  • アトピー性皮膚炎

VOL.203 アトピー性皮膚炎と「証」の併存

東洋医学では、病の症状や過程の分析から、その病状に至った原因やシステムを漢方的に解析することにより、いわゆる「証」を決定し、それを治療の根拠として漢方薬を決定します。

「証」とは、その時点における病気の原因、位置、性質、勢い、人体の抵抗力との力関係を包括しているといえます。このことは、アトピー性皮膚炎に限らず、あらゆる疾患の漢方治療において大変重要です。また、病を構成している「証」は、一つとは限らず、複数のものが混在するケースも少なくありません。

「20才のA君。患部は、ほぼ全身だが、特に腕、足、体側部の皮膚に赤みが強い。乾燥して白い薄片がポロポロ落ちるが、手や膝の裏などを中心に、赤く盛り上がって、搔くと少し浸出液が出たり、カサブタになっている部分もある。温まったり、ストレスで痒みが増す。咽が渇きやすく、冷たいものを好む。」といった症状でした。湿熱証と陰虚証が併存していると考え、竜胆瀉肝湯と瓊玉膏を服用していただくことにして、スキンケアの指導もさせていただきました。服用開始から2年ほどかかりましたが、症状は、ほぼ落ち着き、あと一息で漢方治療も卒業できそうです。

アトピー性皮膚炎では、このように、いくつかの「証」が絡み合っているケースが多く、単純なパターンはあまり見られません。そのため、他の疾患以上に皮膚症状や個々の体質をきちんと把握し、漢方的に判断して「証」を決定し、処方を選択することが重要になります。また、治療過程では、症状の変化に合わせた臨機応変で、細やかな対応が必要となります。

VOL.133 アトピー性皮膚炎  ~その17~

漢方では、「標」と「本」という考え方があります。「標」とは、外に現れている症状を指し、「本」とは、疾病の本質を指します。「急なればその標を治す」、「緩なればその本を治す」といい、症状が重いときは、それに対処し、落ち着いてきたら、根本治療をすることを説いています。さらに、「病気を治すには必ずその本質を治さなくてはならない。」という意味の「治病求本」という、原則を掲げています。  43才の会社員の男性。「仕事での過労が続いた所へ、カゼをひき体調をこわした後、落ち着いていたアトピー性皮膚炎が再発した。 […]

VOL.195 多嚢胞性卵巣症候群を伴う不妊

不妊の漢方相談には、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)といわれている方もいらっしゃいます。PCOSは、排卵障害のひとつです。成長を開始した卵子がどれも充分に成長できずに萎縮し、空になった卵胞が、列になって卵巣に残ります。これを超音波で見るとネックレスのように見えるので、ネックレスサインと呼ばれ、PCOSの診断の特徴的な症状です。スムーズに排卵できないので、生理が遅れたり、生理が来ないこともあります。「25歳、結婚して1年。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の疑いがあるといわれた。排卵はしているが卵子の成 […]

VOL.109 めまい2

「64才女性、主訴はめまい。回転性ではなく、顔がのぼせて、ふらふらして立っていられない。特に起床時や夕方に発症しやすい。時々、イライラ、不安感や動悸を伴う。手足が冷えやすく、夜間尿一回。首・肩のこりがひどく、腰や膝の痛みもある。食欲はあるが食は細い。」との事。 肝陽上亢と痰濁上擾、腎陽虚を兼ねていると考え、釣藤散と至宝三鞭丸を服用していただくことにしました。 一ヶ月後、一人で歩けるようになり、元気な表情で、お見えになりました。服用を始めて一週間ほどから、症状が緩解してきたそうです。「手足も温まっ […]

VOL.178 更年期障害における頭痛

更年期障害は、西洋医学では、卵巣機能の低下によるホルモンの分泌不足、家庭環境や社会環境の変化による精神的ストレスなどを原因とする閉経前後にみられる身体的、精神的な諸症状とされています。漢方では、経断前後諸症などと称し、加齢に伴って腎精が減少し、その結果、精神活動の要である「心」、自律神経と関わりの深い「肝」、決断力や快適な睡眠を生み出す「胆」などに影響を及ぼすことによって起こる身体のバランスの失調と考えています。腎精の消耗は閉経だけでなく、過労や不摂生などでも起こりますので、年齢に関係なく更年期 […]