お問い合わせ・ご予約はこちら

0120-67-4193

お問い合わせフォーム

JR東船橋駅 南口前
定休日
日曜・月曜・祝日
元気堂の漢方薬通信
  • ニキビ

漢方薬通信VOL.226 ニキビと治病求本

 漢方では、基本的に「○○に効く薬」というものはありません。それは、漢方治療の基本原則に「治病求本」という考え方があるからです。「治病求本」とは疾病の根本原因を追求し、病気の本質を見極めて治療を行うことです。


 ニキビを例にとってみると、すべての人のニキビに効く薬は無く、ニキビの部位、大きさ、色、形などの患部の状態はもちろん、悪化条件、好転条件、随伴症状などから、ニキビの発生原因を漢方的に追求し、その本質から、「風熱」「脾胃湿熱」「肝胆湿熱」「実寒」「肝気鬱結」「痰凝」「瘀血」「脾気虚」「陽虚」「陰虚」「陰虚火旺」「気血両虚」等々のパターンに分類し、更に症状、体質を分析して、治療方法や漢方処方を決定します。また、複数のパターンが混在していることもあります。患者さんが十人いれば十通り、百人いれば百通りなのです。


 「Aさん女性。額と顎、口の周りに淡紅色の丘疹。月経前と脂っこい物や乳製品の摂取で悪化しやすい。手足が冷えやすく、お腹が張ることが多い。眠りがやや浅く目が覚めやすい。やや軟便傾向。」とのことでした。
 肝気鬱結と湿盛、食滞を兼ねていると判断し、逍遙散と加味平胃散を服用していただくことにして、スキンケアの指導もさせていただきました。一ヶ月ほどで、ニキビは減少し、胃腸の調子も良好になり、半年ほどで、ニキビは発症しなくなりました。


 「治病求本」は、あらゆる疾患における漢方治療の重要な原則です。正しく判断して漢方薬を服用することが大切になります。

VOL.186 不妊と排卵痛の漢方治療

漢方では、不妊のことを「不孕(ふよう)」といいます。不孕の漢方相談の際には、月経の状態や体調をお聞きします。月経痛がつらいという方も多いですが、なかには、排卵痛が気になる方も少なくありません。排卵痛とは、排卵日やその前後の数日間に感じる痛みのことをいいます。卵巣のあるあたりに痛みを感じる方が多く、痛みの程度や頻度はひとそれぞれで、疲れやストレスが影響することもあります。また、頭痛や、吐き気、浮腫などを伴うこともあります。「29歳、結婚して3年になる看護師さん。月経周期は30日。経血は暗紫色で塊が […]

VOL.138 ニキビ ~その8~

Aさんは16才の女性。 「4年ほど前から頬と前額にニキビができる。色は暗紅色或いは淡紅色で腫脹している。月経前や甘い物の過食で悪化する。月経不順。暑がりで寒がり。ストレスもあり、肩こり、腰痛もみられる。やや軟便気味。睡眠が浅いのか、よく夢を見る。今まで清上防風湯を始め、『ニキビに良い』と言われる幾つかの漢方薬を服用したが効果が見られなかった。」といった症状でした。 ストレスなどが原因で、患部に熱を帯びた「肝火上炎証」に、少し「胃熱証」も兼ねていると判断し、丹梔逍遙散を服用していただくことにして、 […]

VOL.94 無排卵性月経

無排卵性月経とは、出血はあるものの、排卵が認められない生理のことをいいます。高温期と低温期の差がなく、月経周期が不安定で不正出血が起こりやすいのが特徴です。 無排卵の状態で放置しておくと、不妊や無月経の原因になるほか、更年期以降の子宮がん発生率も高くなってしまうこともあります。 30才のA子さん、「基礎体温が高温と低温の二相にならず、月経周期が25~40日くらいで一定しなくなったため、病院に行ったら『排卵していない』と言われた。 少し前にストレスが多い状態が続き、イライラしていた。足が冷え、肩こ […]

VOL.107 アトピー性皮膚炎13

Aくんは6ヶ月の男の子。 「顔全体、特に?と額に淡紅色の紅斑、乾燥、鱗屑がみられ、まぶたの周辺は掻くとジュクジュクすることもある。耳切れが生じている。膝の裏にも紅斑がみられる。暑がりで汗をかくと痒みが増す。大便は2~3日に1回。 病院では、ステロイドの塗り薬と保湿薬を処方されているが、あまり良くならない。」との事でした。 「脾気虚証」タイプのアトピー性皮膚炎と判断し、黄耆建中湯を服用してもらいました。最初の2週間でかなり改善が見られ、便通も1日1回になってきました。その後、来局のたびに改善し、現 […]