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元気堂の漢方薬通信
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VOL.210 子宮筋腫を伴う不妊

不妊の漢方相談には、子宮筋腫があるという方もいらっしゃいます。
「34歳、結婚して2年。子宮筋腫が複数個あり、半年ほど前に手術を受けたが、まだ2個残っている。術前は、過多月経、血塊が多く、生理痛も辛かったが、今は、改善している。月経周期は28~30日。月経前はイライラしやすく、胸が張り、便秘気味になり、脚が浮腫む。疲れやすく、貧血気味。月経後半に目元がピクピク痙攣することがある。ストレスでお腹が張ったり、喉がつまる感じがする。肩や首が凝り、足先が冷える。クマができやすい。AMH検査では、40歳相当と言われた。」とのことでした。いろいろなことが気にかかり、ストレスを感じやすいようです。
肝気鬱結証、肝血虚証に血瘀証を兼ねていると考え、逍遙散、当帰芍薬散と折衝飲を月経周期などに合わせて飲み分けていただき、腎精を補うために瓊玉膏も併用しました。服用開始2ヶ月ほどで月経前の便秘、浮腫が軽減し、疲れにくくなりました。さらに半年ほどで、月経前の体調不良は、ほぼ無くなり、すっかりお元気になりました。そして、服用開始から約1年後に、めでたく妊娠。悪阻の漢方薬、安胎の漢方薬も服用して、無事出産することができました。かわいい赤ちゃんといっしょに、立ち寄ってくださいました。とても嬉しそうな笑顔です。

子宮筋腫があると、経血量が多く、血虚になりがちですが、単純に補血せずに、子宮筋腫の状態にも配慮が必要です。月経の状態、体質はもちろん、子宮筋腫の状態にも気をつけて、その方に合った処方を選ぶことが大切です。きめ細やかなケアをして、妊娠しやすいコンディションにしていきましょう。

当薬局では、不妊のご相談は、不妊漢方アドバイザーの女性薬剤師が主に対応させていただいております。出産経験もありますので、わからないこと、困ったことなど、安心して相談下さい。

VOL.150 頭痛6

五臓の精血、六腑の清陽の気は経絡を通って、皆、頭に注いでいることから、頭部は“諸陽の会”“清陽の府”と呼ばれています。多くの臓腑、経絡、器官が関連しているため、頭痛を引き起こす原因は多岐にわたります。 気候や環境の影響による「風寒」「風熱」「風湿」「暑湿」「実寒」、ストレスによる「肝気鬱結」「肝火上炎」、水分代謝が悪いために生じる「痰飲」、暴飲暴食などによる「胃熱」「食滞」、血液の流れが悪い「瘀血」、過労や睡眠不足が引き起こす「気虚」「陽虚」「血虚」「陰虚」、加齢による「腎虚」などのパターンに分 […]

VOL.104 アトピー性皮膚炎12

「36才のA子さん。幼少期は、乾燥肌程度だったが、一年ほど前から、顔(特に目の周囲、頰)や首を中心に、紅斑、鱗屑がみられ、乾燥し痒みが甚だしい。アトピー性皮膚炎と診断され、断続的にステロイド軟膏にて治療している。入浴後、疲労、睡眠不足、飲酒後などで悪化しやすく、起床時は比較的軽く、夕方にひどくなりやすい。便秘はなく普段からやや軟便気味。」との事でした。 患部症状や体質などから、「陰虚火旺」と「脾気虚」タイプと判断し、知柏地黄丸と参苓白朮散を服用していただくことにして、スキンケアの指導もさせていた […]

VOL.170 アトピー性皮膚炎 ~その24~

アトピー性皮膚炎は、当薬局で最もご相談が多い疾患です。漢方的にみるとその発症の根幹は、気・血・津液・精などの正気が不足することにより、皮膚バリアが低下したために、暑さ、寒さ、乾燥、湿気などの環境の変化やハウスダスト、食物などのアレルゲンに反応しやすくなることと考えられます。 この場合、根本原因である正気の不足を補うなどの治療を「本治」、アレルゲンなどにより誘発・増悪した症状を抑える治療を「標治」といいます。 「20才のA君、身体全体に、紅斑、丘疹、乾燥、落屑、皹裂などがみられ、赤みが強い。特に胸 […]

VOL.164 手湿疹

「手湿疹」とは、物質による刺激やアレルギーによって生じる手のひらや指の皮膚炎のことをいいます。皮膚の表面を保護する角層間脂質が少ない体質であったり、職業・家事などで水やシャンプー・洗剤などをしょっちゅう使うことで角層間脂質や天然保湿因子が減ると起こりやすくなります。 60才のA子さん。「以前、石鹸の会社で仕事をしていた頃に、手湿疹を発症した。手掌、手指が荒れ、皮膚の乾燥・剥離がはげしく、亀裂も生じてくる。手が火照る感じの熱感がある。水仕事などが多いときはもちろん、疲労やストレス、睡眠不足で悪化す […]