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元気堂の漢方薬通信
  • ニキビ

VOL.130 にきび ~その7~

ニキビは、皮膚科学では「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」、漢方では「粉刺(ふんし)」と称します。毛嚢と皮脂腺の慢性炎症による皮膚疾患の一つです。皮脂過多や毛孔の角化などにより皮脂の分泌がスムーズに行われないと炎症を起こし、顔面をはじめ胸部、背部、肩部などに多く発症します。ニキビは毛嚢に一致して生じ、発展過程において面皰、丘疹、膿皰、結節、瘢痕、痘痕などがみられます。そのため、臨床では往々にして数種の段階のニキビが同時に存在します。

「K君は17才の高校生。5年ほど前から、赤みが強く熱感のある大きめのニキビができるようになった。こめかみからアゴにかけて、顔の下半分に多い。先端に膿をもっているものもある。汗をかくと悪化しやすく、全体に皮膚が脂っぽい。甘い物や脂っこいものが大好き。」といった症状でした。

ニキビの状態や発症部位、悪化条件などから「肝胆湿熱」と考え、竜胆瀉肝湯を服用して頂くことにしました。甘い物や脂っこいものが大好きなので、山査子のお茶も併用してもらい、漢方のスキンケアの指導もさせて頂きました。
3ヶ月ほどで、たくさんあった大きなニキビは無くなり、皮膚の状態もかなり改善しました。現在はニキビ跡を中心に治療中です。

漢方においてニキビの発症のしくみは様々であり、ニキビの色、形、好発部位、悪化条件、随伴症状などから、そのパターンを鑑別し、「風熱」「脾胃湿熱」「肝胆湿熱」「実寒」「肝気鬱結」「痰凝」「瘀血」「脾気虚」「陽虚」「陰虚」「陰虚火旺」「気血両虚」等々に分類し、更に症状、体質を分析して、治療方法や漢方処方を決定します。当薬局では、約八十種類ほどの処方を使い分けていきます。また、複数のパターンが混在していることもあります。

皮膚疾患全般に言えることですが、患部症状をよく観察して漢方薬を決定することが治療の早道となります。

漢方薬通信VOL.221 春の養生法

 春は、寒冷な気候から徐々に暖かくなり、「陰陽消長」により、陰が衰え、陽の勢いが増していく季節です。 万物が生長・発育・成長する時期といえます。 五行学説によると、春は「木」に属し、主気は「風」になります。五臓の中では「肝」の養生が大切な時期です。 漢方の聖典の一つである『黄帝内経素問』の四気調神大論には、 「春三月、此れを発陳と謂う。天地俱に生じ、万物以て栄えゆ。夜に臥し早く起き、広く庭を歩み、髪を被き形を緩うし、以て志をして生ぜしむ。生かして殺す勿れ、予えて奪う勿れ。此れ春気の応、養生の道な […]

VOL.153 不妊 ~その13~

漢方では、女性の不妊のことを「不孕(ふよう)」といい、男性の不妊のことは「不育(ふいく)」といいます。一方、西洋医学では、「不育症(ふいくしょう)」とは習慣性流産のことで、漢方では「滑胎(かったい)」といいます。 「33歳、結婚して9年。4才の男の子がいるが、なかなか妊娠しないうえ、3度の流産を経験している。月経周期は28日前後、量は多めで、塊が混じる。月経時の疲れが甚だしい。もともとは心配性だが、月経前は、イライラしやすく、胸が脹り、足がむくみ、立ちくらみがする。足腰が冷える。1度目の流産の時 […]

VOL.40 長引く咳

例年よりも寒さの厳しい中、風邪をひいている方も多くみられます。中でも咳が続いていて、なかなか抜けない方が目立ちます。漢方では咳嗽を急性のものは外感、つまり身体に余分なものが侵入し、まだ体表面に病があるものとし、一方慢性のものは、五臓六腑に病が侵入したものと考えます。 慢性の咳嗽に関係する臓腑は、主に肺・脾・腎・肝であり、口渇や痰の有無、痰の状態、疲労倦怠感、汗、食欲、便通などの状態から治療法を決定していきます。倦怠感が強く、過労により悪化する「気虚」、冷えが原因の「陽虚」、肺の乾燥による「陰虚」 […]

VOL.111 腰痛2

男性、50歳。 「数日前にぎっくり腰(急性腰痛症)になり、左腰部が引きつるように痛い。痛みは寒冷により悪化し、温めたり、入浴により軽減する。お仕事が忙しく、徹夜が続いたりする。7月にも発症したばかりで、ここ数年、年に1回程度発症する。疲れやすくストレスも多い。暑がりで寒がり。普段から肩こりや耳鳴がみられる。」とのこと。 過労やストレス、冷えが原因となり、『陽虚証』をひきおこしたと考え、桂枝加芍薬湯と腎気丸を併用していただくことにしました。10日後来局し、「数日間服用すると、痛みがなくなった。」と […]