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元気堂の漢方薬通信
  • アトピー性皮膚炎

VOL.143 アトピー性皮膚炎~その19~

漢方治療において、「五臓六腑」という概念は大変重要です。「五臓」には、肝・心・脾・肺・腎があり、相生・相克といった関係を保ち、人体のバランスをとっています。アトピー性皮膚炎は、五臓すべてと関連しているのですが、漢方では、「脾は肌肉を主る。」といい、脾と皮膚の状態は特に重要な関係にあるとされています。脾の働きが低下すると、皮膚を滋養する「血」や「津液」、外からの刺激を防御する「気」などの生成が不足します。また、身体の水分代謝も悪くなり、ジクジクとした滲出液がみられることも
 「28才のAさん。幼少期からアトピー性皮膚炎と診断され、ステロイド軟膏で治療したり、食事制限をしたりしていた。その後、しばらく落ち着いていたが、2、3年ほど前から、仕事が忙しくなり、過労と共に悪化した。首を中心に、紅斑がみられ、乾燥し痒みが甚だしい。入浴後、疲労、睡眠不足などで悪化しやすい。元来、胃腸が弱く、太れない。疲れやすく、食後眠くなりやすい。便通は2日に1回だが、やや軟便気味。」との事でした。患部症状や体質などから、「脾気虚弱」により「陰血不足」を生じていると考え、参苓白朮散と瓊玉膏を服用していただくことにして、スキンケアの指導もさせていただきました。1ヶ月ほどで、胃腸の具合が良くなり、皮膚の赤みや乾燥も改善しました。さらなる皮膚の改善をめざして、現在も服用中です。
 このようなタイプ以外にも、漢方的にみるとアトピー性皮膚炎には、多くのパターンがあり、当薬局では約八十種類ほどの処方を使い分けています。他の疾患も同様ですが、漢方治療において、最も重要なことは、「アトピーには、○○湯」と決めつけずに、皮膚症状や個々の体質をきちんと判断して的確な漢方薬をセレクトすることです。日本人にアトピー性皮膚炎が多いのは、体質や生活様式によるものだと考えられます。当薬局では、中医皮膚病学をベースに日本人の体質に合わせて、独自の漢方治療を行っています。是非、一度ご相談下さい。

漢方薬通信VOL.231 自家感作性皮膚炎        

 自家感作性皮膚炎は、貨幣状湿疹、アトピー性皮膚炎、鬱滞性皮膚炎、接触性皮膚炎などの原発巣があり、増悪や掻破行為により内在性のアレルギー反応を起こし、痒みを伴う小丘疹や膿疱が全身に多発する疾患です。症状は四肢や体幹、顔面に対称性にみられ、原発巣は下腿の皮疹であることが多いです。原発巣の治療をすることにより、自家感作性皮膚炎の症状も緩和するとされています。 漢方では「濁瘡」と称し、素体不足に湿熱、血熱、風熱などが侵襲したものと考えて治療します。  A君は19才、「幼少期から鼻炎などのアレルギー症状 […]

VOL.62 喘息 ~その2~

喘息のお子さんを持つお母さんの会でお話をさせていただいた時の事です。 講演後に、一人のお母さんから「うちの子は小青竜湯をずっと服用しているのですが、あまり効果がありません。漢方薬が効かない体質なのでしょうか?」とご質問を受けました。 症状をうかがうと、「疲れると発作が起きる、季節の変わり目や急に冷え込んだ時なども発作が起きやすい、発作時はゼーゼーして透明から白っぽい痰をだす。疲れやすく食が細い、カゼをひきやすい、汗かき。」といった様子。 漢方では、小青竜湯は、せいぜい発作期の『冷哮』タイプに使う […]

VOL.175 低体温を伴う頭痛

頭痛は、臨床上よくみられる自覚症状の一種で、頭痛を引き起こす疾病は多岐にわたります。西洋医学でも、頭痛専門の頭痛外来も多くなり、頭痛で悩んでいる患者さんは増加しています。最近は、スマホやパソコンなどで、目に負担をかけていることから、眼痛・眩暈・耳鳴・肩こりなどを伴うケースも少なくありません。 16才の高校生A子さん。「昨年の春から、後頭部が重く痛み、倦怠感、目眩などを伴う。授業中など、緊張やストレスで悪化しやすい。月経前にイライラしたり、胸が張って痛くなる。月経痛が重い。低体温で35℃台、足が冷 […]

漢方薬通信VOL.222 排卵時から月経前にお腹が張る方の不妊

 不妊の漢方相談では、主に月経の状態を詳しくお聞きしますが、排卵時や月経前などの月経周期に伴って起こる体調変化についてもお聞きします。なかには、月経痛は軽く、月経期の体調は悪くないのに、排卵時から月経開始までの方が不調という方もいらっしゃいます。  「35才のAさん。二人目不妊のご相談です。月経周期は、28日前後。月経期間は4日間。経血の量は普通で、血塊が混じる。月経痛は、月経前半に下腹部が少し痛む程度で、つらくはない。月経前は、いつもよりイライラしやすくなり、お腹が張る。お腹の張りは、排卵時か […]