お問い合わせ・ご予約はこちら

0120-67-4193

お問い合わせフォーム

JR東船橋駅 南口前
定休日
日曜・月曜・祝日
元気堂の漢方薬通信
  • 養生

VOL.215 夏の養生法

 漢方では、夏は陽気が非常に強い季節とされています。火の臓腑であり、五臓の中では、「陽中の陽」と呼ばれる「心」の養生が大切な時期です。

 また、漢方の聖典の一つである『黄帝内経素問』の四気調神大論には、

「夏三月、此れを蕃秀と謂う。天地の気交わり、万物華さき実る。夜に臥し早く起き、日を厭うことなかれ。志をして怒ること無からしめ、華英をして成秀せしめ、気をして泄らすを得さしめ、愛する所をして外に在るが若くせしむ。此れ夏気の応、養長の道なり。これに逆えば則ち心を傷り、秋に痎瘧となり、収に奉ずる者少なく、冬至らば、重ねて病む。」と書かれており、夏の養生を怠ると、心の気を損傷し、秋になって瘧疾を生じ、秋の時令である収斂の気に適応できず、冬には更に病を発症するとされています。

1.冬病夏治

 「冬病夏治」とは、冬に起きやすい病気を夏に治療して予防するという意味で、一年で最も暑い時期に、体内の寒気を追い出すことで、冷えによる陽気不足の体質を改善し、寒さにより発症・悪化しやすい関節痛・喘息・胃腸の不調・寒冷蕁麻疹・・・等々の予防を行う方法です。暑い時の水分補給は大変重要ですが、冷たい物の摂り過ぎや過度な冷房などは冷えを増長し、体調を崩します。

2.夏の睡眠

 前述の『黄帝内経素問』の四気調神大論では「夜に臥し早く起き、日を厭うことなかれ。・・・」とあり、夏は他の季節より少し早起きし、日の長さを厭わず、イライラして怒ることが無いようにと書かれています。暑さでイライラしやすい夏に精神的な安定を保つことは、火の臓腑である「心」の養生には、大変重要です。また、早起きして、涼しい早朝のうちに行動するのも良い対策の一つですね。

3.夏の食べ物

 漢方では、夏は火の季節であり、五臓では心の養生が大切といわれています。心を養う食材としては、ユリネ・ハスの実・黄ニラ・リュウガン・牡蠣・あん肝・ヒジキ・アーモンドなど、暑さ対策としては、スイカ・緑豆・キュウリ・トウガン・トマト・セロリ・トウモロコシ・インゲン豆・フジマメ・ハトムギなどが挙げられます。菊花茶やハブ茶も熱を冷ましてくれます。

 もちろん、「冬病夏治」の観点から冷やしすぎは禁物です。鶏肉・羊肉・桃・カボチャなどの温性の食材も臨機応変に取り入れましょう。

 屋外はムシ暑く、屋内は冷房などで冷えて、体調を崩しやすい季節です。漢方の知恵を利用して、元気に乗り切りましょう。

VOL.197 胃腸虚弱とアトピー性皮膚炎

漢方では「肺は皮毛に合す」「脾は肌肉を主る」といいます。これは、健康な皮膚を保つためには、肺や脾(漢方では消化器系のリーダーのことです。)の生理機能が大きく関わっていることを示しています。肺や脾の生理機能が低下すると、皮膚の栄養が不足し、滋養されないと乾燥や痒みを生じます。また、皮膚のバリア機能が低下し、外界からの刺激に反応しやすくなります。 「33才男性、幼少期からアトピー性皮膚炎。しばらく症状は落ち着いていたが、5年程前から悪化してきた。普段から胃腸が弱く、下痢をしやすい。疲れやすく、食後は […]

VOL.100 不妊~その6~

漢方では、不妊を「不孕」「求子」「無子」「絶産」「絶子」 などと称し、婦人科分野において、古典にも多くの記載がみられます。 実際の治療においては不妊を月経や全身の症状から、「腎陽虚証」「腎陰虚証」「気血両虚証」「肝気鬱結証」「痰湿証」「血瘀証」などに分類し、それぞれに応じた三十ほどの処方を組み合わせていきます。 基礎体温表なども西洋医学とは異なる漢方的な見方があり、また、これといったトラブルが見当たらないのに妊娠しない場合には、月経周期を「月経期」「低温期」「排卵期」「高温期」に分割し、時期ごと […]

VOL.142 動悸

漢方では、「胸に動悸を感じ、不安を自覚する病症」を「心悸」といいます。外部からの驚恐・悩怒などのストレス時に発病するものを「驚悸」、外部刺激が無く、少しの疲労などでも発作をおこすものを「怔忡」として区別しています。 「37才のA子さん、数年前から、様々なストレスにより、動悸がするようになった。発作時には、悪心や目眩、耳鳴などを伴うことが多い。普段から不安感があり、寝付きが悪く、眠りも浅い。食欲が無く、疲れやすい。頭冒感、肩こりがあり、時々、熱感を生じる。」とのお話しでした。顔色も悪く、心身ともに […]

VOL.59 アトピー性皮膚炎3

前回に引き続き「アトピー性皮膚炎」のお話です。 「30歳の女性、A子さん。数年前にアトピー性皮膚炎と診断され、ステロイド軟膏を塗布。一時的には良くなるが再発し、徐々に悪化している。眼瞼部や頬、口周囲が特にひどく、赤み、乾燥、肥厚、落屑がみられる。月経前にひどくなりやすく、過労やストレスでも悪化しやすい。以前、アトピー性皮膚炎に良いといわれる温清飲という漢方薬と健康食品を服用していたが、改善しない。」との事でした。 温清飲は、「血熱証」のアトピー性皮膚炎に用いる漢方薬ですが、A子さんのタイプは、「 […]