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元気堂の漢方薬通信
  • 更年期障害

VOL.119 更年期障害4

腎臓は、血液からの老廃物や余分な水分を濾過し尿として排泄する器官ですが、漢方でいう「腎」とは、そのような働きに加えて、ホルモンの要であると考えられています。
更年期障害は、漢方では経断前後諸症などと称し、閉経前後に腎精(ホルモンと考えるとわかりやすいです。)が急速に減少することにより、身体のバランスがくずれて発症します。
そして、腎精の不足が、精神活動の要である「心」、自律神経と関わりの深い「肝」、決断力や快適な睡眠を生み出す「胆」などにも影響を及ぼすと考えられています。
腎精の消耗は閉経だけでなく、過労や不摂生などでもおこりますので、年齢に関係なく更年期のような症状がおこることもあります。

「50才の女性。月経周期が早くなったり、遅れたり、不定期。頭重、肩こり、手足の冷えやほてり、小腹と胸脇の脹痛、焦燥感がみられる。やや便秘気味。食欲は正常。症状は月経前が特にひどい。」とのお話。

肝鬱気滞証と考えて、八味逍遥散を服用していただくことにしました。腎精を補うため瓊玉膏も併用しました。1ヶ月ほどで、表情も晴れ晴れとし、月経前も楽にすごせるとのこと。半年ほどで月経周期も安定し、快適だそうです。

更年期障害においては、様々な不定愁訴がみられますが、すべてのパターンに共通なのは腎精の不足が根本にあるということです。その点が、一般的な自律神経失調などと、大きく異ります。
そのため、不定愁訴を治療する標治と腎精を補う本治を併行しておこなうこと(標本同治)が、必要であり、治療の早道となります。
また、更年期は、五臓六腑が不安定なことから、精神的にデリケートになっています。イライラ、不安、思慮過度などになりやすいため、上手にストレス解消することも大切です。

更年期は、次にくる新しい人生の節目のような時期です。漢方を上手に使って、快適に乗り切りましょう。

VOL.139 不妊 ~その11~

漢方では、不妊のことを「不孕(ふよう)」といいます。 『中医症状鑑別診断学』によると、「妊娠適齢な女性が避妊を行わずに、結婚後2年以上妊娠しないこと」または、「過去に妊娠歴があって避妊せずに2年以上妊娠しないこと」とあります。 「33歳、パソコンを多く使うお仕事をしている方。結婚後3年ほど経つが子供ができない。月経周期は29~34日。月経前になると、臍傍が痛み、胸が張り、足がむくみ、イライラしやすい。手足が冷えるのは、寒い時と、緊張した時。いつもは温かいものを好むのに、時々冷たいものを少量飲みた […]

VOL.152 産後の不調 ~その2~

28才のAさん、「産後3ヶ月くらいから、目眩、悪心、動悸、後頭部の重痛が起こる。疲労倦怠感が強いのに寝つきが悪く、睡眠が浅い。諸症状は、疲労や目の使いすぎ、ストレスなどで悪化しやすい。食欲が無く、肩こり、腰痛などもみられる。」といった症状でした。出産と授乳により気血を消耗し、心血と脾気が不足したことによって心脾両虚を生じたと考え、帰脾湯を服用していただくことにしました。精血を補い体力を回復させるため、瓊玉膏も併用しました。2週間ほどで、目眩、悪心、動悸、後頭痛が減少し、寝つきも良くなってきました […]

VOL.143 アトピー性皮膚炎~その19~

漢方治療において、「五臓六腑」という概念は大変重要です。「五臓」には、肝・心・脾・肺・腎があり、相生・相克といった関係を保ち、人体のバランスをとっています。アトピー性皮膚炎は、五臓すべてと関連しているのですが、漢方では、「脾は肌肉を主る。」といい、脾と皮膚の状態は特に重要な関係にあるとされています。脾の働きが低下すると、皮膚を滋養する「血」や「津液」、外からの刺激を防御する「気」などの生成が不足します。また、身体の水分代謝も悪くなり、ジクジクとした滲出液がみられることも  「28才のAさん。幼少 […]

VOL.176 産後の不調

漢方では、出産後から産褥期までの間に発症する分娩や産褥と関連性のある疾病を「産後病」といいます。漢方の聖典の一つである『金匱要略』でも「婦人産後病脈証并治」として専門的に論述しています。現代の中医婦科学(産婦人科のこと)の文献においても、産後血暈、産後痙証、産後腹痛、産後悪露不絶、産後発熱、産後大便難、産後排尿異常、産後自汗或いは盗汗、産後身痛、缺乳(乳汁不足)、乳汁自出などの記載がみられ、産後病を重要視しています。 39才のAさん、「出産して2ヶ月目。疲れ切っているのに寝つきが悪く、睡眠が浅い […]