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元気堂の漢方薬通信
  • アレルギー性鼻炎

VOL.79 花粉症 ~その8~

小青竜湯って効くの?

毎年この季節になると、店頭で「花粉症に効く漢方薬下さい。」「花粉症に小青竜湯って効くのかなぁ。」「小青竜湯のんでるんだけど、良くならない。漢方薬って効かないの?」などのご質問を受けます。確かに花粉症の漢方薬といえば、日本では小青竜湯が有名で、服用したことがある方も多いと思います。
しかし、本来漢方治療は個々の症状・体質によって異なり、様々な処方を用います。小青竜湯は「風寒束表・水飲内停」というパターンで「鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目の痒み」などの症状の他に「悪寒発熱、汗が出ない、咳嗽、呼吸困難、稀薄な痰が多い、口渇はない。或いは身体が重だるかったり、浮腫んだりすることもある。」という時に用います。実際は全体の一割にも満たないのではないかと思います。
小青竜湯をのんでみたけど、効果のみられなかったA子さん。「透明な鼻水と鼻づまりが顕著で、くしゃみ、目の痒みを伴う。手足が冷え、寒がり。顔色が青白く、食欲も無く、疲れやすい。屋内と屋外で著明な変化はないが、寒さや疲労によって悪化する。」といった症状でした。
脾肺陽虚と判断し、甘草乾姜湯と参苓白朮散を服用していただきました。一週間後、「私にも漢方薬が効くんですね。身体も温まってきて、とても楽です。」と喜んでいただけました。陽虚タイプの方は、普段からの冷えの改善も大切ですね。
前回も述べましたが、「花粉症」も他の疾患と同様、病名にとらわれずに、きちんと漢方的に分類する事が、治療する上で最も重要となります。

VOL.112 アトピー性皮膚炎14

「27才男性、幼少期からアトピー性皮膚炎。しばらく症状は落ち着いていたが、数ヶ月前から仕事が忙しくなり、睡眠不足も続いたためか悪化してきた。額部や首、下肢、肘裏、手甲に多く発症し、患部淡紅色、痒み、赤み、乾燥、肥厚、落屑、血痂がみられる。普段から胃腸が弱く、下痢をしやすい。口渇有り。過労以外は、入浴後や発汗により悪化する。喘息の既往症もある。」との事でした。 気陰両虚と脾虚湿盛を兼ねていると考え、参苓白朮散と瓊玉膏を服用していただくことにして、スキンケアの指導もさせていただきました。服用開始から […]

VOL.180 ストレスによる蕁麻疹

蕁麻疹というと、一般に食べ物や薬に対するアレルギー反応として起こると思われることが多いようですが、その他、感染、運動や暑さ、寒さ、日光といった刺激などによっても起こります。また、慢性の蕁麻疹の中には、心身のストレスによるものも少なくありません。 38才のA子さん、「1ヶ月程前から、痒みの強い皮疹が出現し、消長を繰り返す。皮疹は月経前やストレス時などに悪化する。ここ数ヶ月多忙で、ストレスが多く、不安感とイライラが続いている。疲れているのに眠りが浅く、夜中に目が覚める。月経不調で、肩こりがひどく、お […]

VOL.50 頭痛

漢方では、病気の診断・治療方法に「弁証論治」という方法を用います。頭痛はその中でも特に様々なパターンがみられる疾患の一つです。 まず、頭痛を原因や症状から、 ・気候や環境の影響による「風寒」「風熱」「風湿」「暑湿」「実寒」 ・ストレスによる「肝気鬱結」「肝火上炎」 ・水分代謝が悪いために生じる「痰飲」 ・暴飲暴食などによる「胃熱」「食滞」 ・血液の流れが悪い「オ血」 ・過労や睡眠不足が引き起こす「気虚」「陽虚」「血虚」「陰虚」 ・加齢による「腎虚」 などのパターンに分類していきます。 その際、痛 […]

VOL.43 虚弱児

虚弱児 A君は6才の男の子。お母さんにつれられてやってきました。「汗をかきやすいせいかたびたび風邪をひく。風邪をひくと長びいてなかなか治らない。食が細い。疲れ易くごろごろしていることが多い。」といった色白の少年です。 虚弱児は文部科学省の定義では、 (1)病気にかかりやすく、治りにくい。 (2)疲労しやすい。 (3)身体発育がおくれている。 (4)顔色が悪く貧血傾向。 (5)アレルギー症状をくりかえす。 (6)不定愁訴がある。 といったところですが、西洋医学では決め手となる治療手段は持ち合わせて […]