お問い合わせ・ご予約はこちら

0120-67-4193

お問い合わせフォーム

JR東船橋駅 南口前
定休日
日曜・月曜・祝日
元気堂の漢方薬通信
  • 更年期障害

VOL.108 更年期障害3

更年期障害は、漢方では経断前後諸症などと称し、閉経前後に腎精(ホルモンと考えるとわかりやすいです。)が急速に減少することにより、精神活動の要である「心」、自律神経と関わりの深い「肝」、決断力や快適な睡眠を生み出す「胆」などに影響を及ぼすことによって起こる身体のバランスの失調と考えています。腎精の消耗は閉経だけでなく、過労や不摂生などでもおこりますので、年齢に関係なく更年期のような症状がおこることもあります。

「50才の女性、月経周期が不安定になりだしてから、耳鳴、偏頭痛、焦燥感がみられるようになった。一番の悩みは、集中力や意欲の低下。寝つきが悪い。月経時は昼間から眠く、微熱気味。疲れやすく、肩こり、眩暈、眼精疲労などもみられる。」とのお話でした。

気血両虚・心脾両虚と考えて、帰脾湯を服用していただくことにしました。腎精を補うため瓊玉膏も併用しました。1ヶ月ほどで、表情も晴れ晴れとし、集中力も増してきたそうです。現在も服用中ですが、体調も良く、意欲的で、お元気そうです。

更年期障害において、十人十色の症状を治す治療を標治、根源となる腎精の不足を補う治療を本治といいます。
様々な不定愁訴がみられますが、すべてのパターンに共通なのは腎精の不足が根本にあるということです。
その点が、一般的な自律神経失調などと、大きく異ります。そのため、標治と本治を併行しておこなうこと(標本同治)が、必要であり、治療の早道となります。また、事前に腎精を補っておくことは、更年期障害を予防するコツとなります。
また、更年期は、五臓六腑が不安定になっているため精神的にデリケートになっています。イライラ、不安、思慮過度などに反応しやすくなるため、上手にストレス解消することも大切です。

更年期は、次にくる新しい人生の節目のような時期です。漢方を上手に使って、快適に乗り切りましょう。

VOL.132 ガンの補助療法

昨今、ガン治療や抗ガン剤の是非について、様々な書籍や情報があふれています。薬局店頭でも、「ガンには、どんな漢方薬が良いのですか?」といったお問い合わせも少なくありません。お問い合わせの中には、漢方と信じて、あまり裏付けのない高額なサプリメントを服用している例も多く見られます。  当然のことですが、ガンに効果がある漢方薬といっても、一つの処方がすべての患者さんに良いということはありえません。他の疾患同様、患者さんの症状や体質により適応する処方は様々です。  東洋医学には、「扶正袪邪」という原則があ […]

VOL.68 花粉症~その6~

前回に引き続き、「花粉症」のお話です。 32才のA子さん、「多量の透明な鼻水が止まらず、くしゃみ、目の痒みを伴う。屋外に出ると悪化し、マスクをしていると落ち着く。やや自汗傾向。平素から胃腸が弱く、疲れたり無理をすると下痢をしやすい。疲れると花粉症も悪化する気がする。」といった症状でした。 「脾気虚」タイプの花粉症と判断し、桂枝湯と参苓白朮散を服用していただくことにしました。 服用後、鼻の症状が改善するとともに、胃腸の調子も良好で、顔色も良く、元気そうです。 花粉症のご相談をお受けしていると、ほと […]

VOL.149 ニキビ~その9~

ニキビは、皮膚科学では「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」、漢方では「粉刺(ふんし)」と称します。ニキビの発症のしくみを漢方的に考えてみると、まず、「脾は肌肉を主る」といい、臓腑の中では脾胃(消化機能)の不調が中心になることが多く、そこに皮脂の分泌を調節する肝の疏泄(自律神経)、腎の虚火(ホルモンの失調)などが深く関係しています。また、皮膚疾患といえども、長期にわたるものは、正気の虚(気・血・津液・精などの不足)を考慮することも重要です。  Aさんは36才の女性。「以前より少しニキビができてい […]

VOL.101 花粉症8

今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は地域差がありますが、昨年の2~10倍といわれており、平年より多いという予想です。 すでに症状が出始めた方もいらっしゃいます。 花粉症(アレルギー性鼻炎)は漢方では、「鼻鼽」といい、鼻水、鼻づまり、クシャミ、涙目、目や喉の痒み等を共通の主症状とします。 他の疾患同様、「花粉症」という病名にとらわれずに、きちんと漢方的に分類する事が、治療する上で最も重要となります。 「風寒」「中風」「風温」「風湿」「肝鬱」「湿痰」「実寒」「瘀血」「脾気虚」「脾陽虚」「肺陽虚」「腎陽虚 […]