お問い合わせ・ご予約はこちら

0120-67-4193

お問い合わせフォーム

JR東船橋駅 南口前
定休日
日曜・月曜・祝日
病名別漢方治療
  • 多嚢胞性卵巣症候群

多嚢胞性卵巣 症候群

不妊の漢方相談にいらした方の中には、多嚢胞性卵巣症候群といわれている方がいらっしゃいます。月経不順や無月経などで婦人科を受診して、多囊胞性卵巣症候群と診断されたという方もいらっしゃいます。
多嚢胞性卵巣症候群はPoly Cystic Ovary SyndromeからPCOSとも呼ばれます。PCOSは不妊原因の20%を占めるという報告もあるそうです。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは

妊娠は、排卵、受精、着床など、多くのステップを経て、はじめて成立します。どれか1つでも、不具合があると、妊娠は成立しないのです。
多くのステップのうち、排卵がうまくいかないケースを排卵障害といいます。排卵障害にも、いくつかのパターンがあり、そのうちの1つが多囊胞性卵巣症候群(PCOS)です。

卵巣内に多数の卵胞が溜まって、なかなか排卵しない状態です。
自覚症状としては、スムーズに排卵できないため、月経が起こりにくくなります。無月経や無排卵月経のこともあります。排卵しにくいですが、排卵する際は、排卵痛などの体調不良を伴うことがあります。不妊治療のために婦人科を受診して、はじめて多囊胞性卵巣症候群(PCOS)だとわかることもあるようです。

通常、その月経周期に発育を開始した、いくつかの卵胞のうち、1個の卵胞(主席卵胞)が大きくなり、これが、排卵します。そして、いっしょに発育を始めたほかの卵胞は萎縮してしまいます。ところが、多囊胞性卵巣症候群(PCOS)の場合は、主席卵胞ができません。発育を始めた多数の卵胞が、みな発育途上となり、排卵できないまま、卵子だけが萎縮します。空になった卵胞が卵巣に残り、これを超音波で見ると、嚢胞が列になっていて、まるでネックレスのように見えます。これを、「ネックレスサイン」といい、多囊胞性卵巣症候群(PCOS)を診断する際の特徴的な症状です。

多囊胞性卵巣症候群

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断と治療

多囊胞性卵巣症候群(PCOS)を診断する際のもっとも特徴的なことは、前述の、超音波診断による「ネックレスサイン」です。
次に、ホルモン値のアンバランスが挙げられます。
血中LHの値が血中FSHより高くなり、AMH(抗ミュラー管ホルモン)は高値となります。
また、相対的に、男性ホルモンが優位になりやすく、ひげや多毛などの男性化兆候(日本人での頻度は少ない)や肥満やニキビがみられることがあります。

多囊胞性卵巣症候群(PCOS)に対する西洋医学的な対応としては、クロミフェンなどの排卵誘発剤によって、排卵を起こさせること。場合によっては、腹腔鏡手術により、排卵を起こりやすくすることが挙げられます。糖代謝の失調を伴う場合は、糖尿病の薬を服用することで排卵しやすくなることもあるそうです。

漢方における多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の発症の仕組み

多囊胞性卵巣症候群(PCOS)の診断には、超音波での検査やホルモン値の測定が必要です。そのため、漢方の古典に多囊胞性卵巣症候群(PCOS)の概念は、ありませんが、多囊胞性卵巣症候群(PCOS)でよくみられる症状を漢方の考え方で分析してみましょう。
①もともとの体質に腎虚があるため、成熟を開始した、複数の卵胞がどれも充分な成長をせず、排卵できる状態になりません。
同時に、②気滞(肝気鬱結)が存在するためスムーズな排卵が妨げられ、成熟を開始した複数の卵胞が未成熟・未排卵のまま、列になって残ります。
③これがいわゆる「ネックレスサイン」です。残ったネックレスサインは、漢方では、瘀血あるいは痰飲であり、さらに、次に起こるべき排卵の妨げになると考えられます。
つまり、主な原因は腎虚と気滞(肝気鬱結)であり、その結果、瘀血あるいは痰飲が生じていると考えられるのです。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の漢方治療

さて、多囊胞性卵巣症候群(PCOS)の治療を漢方的に考えると…。
① 選ばれたひとつの主席卵胞が充分に成長する為に、「補腎」をすること。
そして、②充分に成長した卵子が、卵胞からスムーズに飛び出すために、その妨げとなる「気滞」を取り除くこと(疏肝理気)。③PCOSの特徴である「ネックレスサイン」を「瘀血」あるいは「痰飲」ととらえ、それを除くことが挙げられます。
漢方薬には、①「補腎」をするもの、②「気滞」を除くもの、③「瘀血」「痰飲」を除くものは、数多くあります。
もともとの体質、月経の状態、気が滞りがちな月経前や排卵期の体調変化などを細かくお聞きして、漢方薬をお選びします。
漢方薬で多囊胞性卵巣症候群(PCOS)を改善する場合も、他のご相談と同様、お身体の状態に合った漢方薬を選ぶことが大切です。

多囊胞性卵巣症候群(PCOS)と診断され、不妊への不安を感じている方は、少なくないことでしょう。
当薬局に多囊胞性卵巣症候群(PCOS)の漢方相談にいらして、月経が順調になった方、赤ちゃんに恵まれた方も多くいらっしゃいます。
どうぞお気軽にご相談ください。

腰痛

腰痛は、腰部の疼痛を主症状とする一連の病証を指します。腰部の片側或いは両側に疼痛を生じ、或いは痛みが背脊腿胯に及んだり、腰部の屈伸転側不利などの症状がみられます。腰は、「腎之府」といわれ、腰痛は五臓六腑の中で腎と関係が深いです。 腰痛の漢方的な発生原因 腰痛の漢方的な発生の仕組み 腰は腎の府であり、足少陰腎経が「脊を貫き腎に属している。」ので、腰痛は腎と密接な関係があります。また、腎と膀胱は表裏をなし、足太陽膀胱経は腰を通過しています。さらに、任脉・督脉・衝脈・帯脈もその間に分布しています。その […]

蕁麻疹

【西洋医学的概念】 1.蕁麻疹とは 皮膚の限局性浮腫で短時間(数分~24時間以内)持続し、跡形もなく消失するものを蕁麻疹といいます。多くは紅斑と瘙痒を伴います。 2.蕁麻疹の症状 突然、境界明瞭な円形、楕円形、地図状のわずかに隆起した膨疹、発赤を生じ、瘙痒を伴います。全身どこにでも発症しますが、摩擦や圧迫されやすい部位に多く見られます。皮膚だけでなく粘膜にも生じることがあり、咽頭部に生じた場合は嗄声や呼吸困難などを引き起こします。 3.蕁麻疹の病態 アレルギー性或いは何らかの誘因による非アレルギ […]

糖尿病

糖尿病は漢方では「消渇」という病証に相当します。 消渇とは、口渇引飲、消穀善飢、小便頻数量多を主要症状とする病証をいい、さらに口甜、尿甜、身体消痩、小便混濁などもみられます。 口渇引飲は「多飲」、消穀善飢は「多食」、小便頻数量多は「多尿」ということから「三多」、或いは「三消」ともいわれ、更に消痩(体重減少)も含め、「三多一少」などと称されることもあります。 【参考】 参考として日本糖尿病学会の糖尿病の診断基準を見てみましょう。 A 次の①~④のいずれかに該当する場合には『糖尿病型』と判定。 ①早 […]

子宮筋腫

子宮筋腫の分類 子宮は外側から漿膜、子宮筋層、子宮内膜という3層構造になっており、筋腫が発生する部位により、漿膜下筋腫、筋層内筋腫、粘膜下筋腫に分類されます。 1.漿膜下筋腫 筋腫が子宮漿膜の下に発生し、子宮筋腫全体の約20%を占めます。一部は子宮本体と離れて、細い茎でつながる有茎漿膜下筋腫もみられます。無症状のことが多いですが、筋腫が発育すると、周辺臓器を圧迫します。また、有茎のものは、茎捻転を起こすと急性腹痛を発症します。卵巣腫瘍との鑑別も重要となります。 2.筋層内筋腫(壁内筋腫) 筋腫が […]