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元気堂の漢方薬通信
  • 多嚢胞性卵巣症候群

VOL.174 多嚢胞性卵巣症候群

健康な状態では、月経周期に発育を開始した卵胞のうち、1個の卵胞(主席卵胞)が大きくなり、これが、排卵します。そして、いっしょに発育を始めたほかの卵胞は萎縮していきます。ところが、多嚢胞性卵巣症候群の場合は、主席卵胞ができず、発育を始めた多数の卵胞が、みな発育途上となり、排卵できないまま、卵子だけが萎縮します。空になった卵胞が卵巣に残り、これを超音波で見ると、嚢胞が列になっていて、まるでネックレスのように見えます。これを、「ネックレスサイン」といい、多嚢胞性卵巣症候群を診断する際の特徴的な症状です。

23才の女性のAさん、「月経不調が甚だしく、約3年間ホルモン剤などを服用。月経が安定してきたので、ホルモン剤などの服薬を中止すると、再度、月経周期が不安定になり、不正出血がみられるようになった。婦人科で、「多嚢胞性卵巣症候群」と診断された。現在は、月経周期が26~42日の間で不定期。不正出血が頻発。手足が少し冷える。ややストレスあり。」といった症状でした。肝気鬱結による疏泄失調と肝鬱化火から血熱を生じていると考え、丹梔逍遙散を服用してもらうことにしました。ホルモンバランスを調えるため「腎精」を補う瓊玉膏も併用しました。1ヶ月ほどで、不正出血はみられなくなり、その後、月経周期も安定してきました。1年ほど服用した頃、婦人科で「多嚢胞性卵巣症候群は、治ってるよ。」といわれたとのこと。嬉しそうに報告してくれました。

多嚢胞性卵巣症候群の漢方治療では、主席卵胞の発育のために「補腎」をすること、それから、排卵の妨げになっている「気滞」「瘀血」「痰飲」などを除くことがポイントとなります。いくつかの証候が絡みあっていることも多く、患者さんの一人一人の病状や体質に合わせて、きちんと漢方的に分類し、処方を決定することが治療の早道です。

 

VOL.95 帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹は、子供の時にかかった水ぼうそうの原因ウイルスが神経の中 に潜んでいて、何年かたってから何かのきっかけで再び表に現れてくると 起こるものです。 疲れたり、体の抵抗力が落ちているときに発症します。 帯状疱疹にかかると痛みと小さな水ぶくれが現れます。 皮膚の症状や痛み は普通そのうちに治りますが、皮膚の症状が消えた後にも痛みだけが残り、その痛みがいつまでも続く場合があります。 これを「帯状疱疹後神経痛」といいます。 特に60才以上の方に、帯状疱疹後神経痛が残りやすいようです。 80才のA子さ […]

VOL.110 蕁麻疹

「31才のA子さん。2ヶ月ほど前から、首から下の全身に蕁麻疹が発症。痒みが強いため、血痂が多くみられる。夕方から夜にかけて症状が悪化しやすい。入浴中は楽になるが、入浴後は痒みが増す。疲れやすく、暑がりで手足がほてる。喉が渇いて冷たいものが好き。ストレスが多くイライラしやすい。肩こり、腰痛、目眩、立ちくらみあり。大便は3~5日に1行。抗アレルギー剤やステロイドを使用しているが、良くならない。」との事でした。 患部症状や体質などから、「肝陰虚火旺」から「血熱」を生じていると判断し、丹梔逍遥散を服用し […]

VOL.57 蓄膿症2

蓄膿症は現代では副鼻腔炎と呼ばれ、鼻漏、後鼻漏、鼻塞、嗅覚障害、頬部・鼻根部の鈍痛、頭痛、頭重などの症状がみられます。 漢方では『鼻渊(びえん)』と称し、外部の環境の影響により引き起こされる「風寒」「風熱」、ストレスが原因の「肝気鬱結」「肝火上炎」「胆腑鬱熱」、暴飲暴食や食事のかたよりによる「脾胃実熱」、消化器や肺の虚弱による「脾虚痰濁」「脾胃虚弱」「肺脾虚寒」、鼻腔の血行不良による「血ォ」などのパターンに分類し、さらに詳細に弁証した上、薬方を決定します。 10歳の男の子、「鼻づまりがひどく、膿 […]

VOL.77 養生と五難

2008年最後の漢方薬通信ですので、いつもと少しちがう話題にしてみましょう。 漢方の重要な古典の一つに唐の時代に著された「千金方」があります。「人命は千金より貴い」ことからこの書名がつけられたといわれています。 その中に、中国の著名な養生学者・けい康の言葉が引用されています。 「養生する上で、五つの難点がある。名誉と利益への執着を捨てられないのが、第一の難点。感情のコントロールがうまくできないのが、第二の難点。歌舞音曲や色欲に溺れるのが、第三の難点。美食への執着を断てないのが、第四の難点。生命活 […]