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病名別漢方治療
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頭痛

頭痛とは臨床上よく見られる自覚症状の一種で、頭痛を引き起こす疾病は非常に多くみられます。西洋医学でも、頭痛専門の頭痛外来も多くなり、頭痛で悩んでいる患者さんは増加しています。

漢方では、頭の痛みを主症状とするものを均しく『頭痛』と称し、頭痛が劇烈で、発作が反復して起こり、久しく治らないものを『頭風』といいます。さらに、頭蓋内の器質的病変による頭痛を『真頭痛』と称します。

痛みの発生のしくみ

漢方では、頭痛に限らず、様々な痛みの原因を「不通則痛」と「不栄則痛」に分けて考えていきます。

  1. 不通則痛…通ぜざれば則ち痛む
    さまざまな原因によって、臓腑・経絡の気機が阻滞し、気・血の運行が不暢となり、通じなくなると痛みを生じます。…実証
  2. 不栄則痛…栄えざれば則ち痛む
    気・血の不足により、臓腑や経絡、組織、器官が滋養されず、痛みを生じます。…虚証

痛みの性質や特徴

漢方では、痛みの性質や特徴を詳しく問診することにより、痛みをおこす原因や、発生のしくみを分析する重要なデータとなります。

頭痛の部位

頭部は手足の三陽経が会合するところであり、また足の厥陰肝経も頭頂に流入しています。そのため、漢方治療では頭痛の部位により、病変した臓腑経絡を予測することも重要です。

漢方的な頭痛の原因と発生のしくみ

頭痛の原因は多岐にわたりますが、漢方では、大きく外感と内傷に分類する事ができます。

頭は人体の最高部に位置して、脳髄を内蔵しています。また、臓腑、清陽の気は頭に上がり、手足の三陽経及び一身の陽を主る督脉が巓頂部に会しているので、「諸陽の会」、「清陽の府」と称されています。

「脳は髄海となす」と言われ、肝腎の精血による濡養作用と脾胃による水穀の精微の運化や清陽の気の升提により支えられています。

これらの点から、外感頭痛は外邪を感受して、気機が阻滞することにより発症し、内傷頭痛は、肝・脾・腎の三つの臓の失調により発症することが多くみられます

◎外感

風などの六淫の邪を感受し、巓頂に上犯し、清陽の気を阻滞すると、頭部の気血の流れが停滞し、「不通則痛」により、外感性の頭痛が発生します。特に頭部は人体上部にあり、陽位に属するため、「人体の陽位を犯し易い。」性質をもつ風邪と「炎上」の性質をもつ火邪により、頭痛が引き起こされることが多くなります。また、「風は百病の長」といわれ、多くの場合、風邪が他の外邪(寒・熱・湿)を伴って、人体に侵襲します。

  1. 風寒頭痛
    風邪に伴われた寒邪の「凝滞」の性質により、脈絡の流れが阻まれ、「不通則痛」を生じ、頭痛となります。
  2. 風熱頭痛
    風邪も熱邪も陽邪であり、熱邪の「炎上」の性質から、上方を乱し、頭部の気血を逆行させ、頭痛を生じます。
  3. 風湿頭痛
    風邪に伴われた湿邪の「重濁」、「粘滞」の性質により、清陽の気を阻むと、頭重感を伴う頭痛がみられます。

◎内傷

1.精神刺激(肝)
精神刺激による情志不和によって肝の疏泄作用が失調すると、頭部の気機が停滞して頭痛が発生します(肝気鬱結)。さらに進行し、気鬱から化火を生じると肝火はその上昇性により、頭部を上擾するため頭痛が起こります(肝火上炎)。
一方、病理的な肝火は陰血を損傷する為、相対的に有余となった肝陽は上亢して頭痛を起こします(肝陽上亢)。また、肝腎陰虚のために陰が陽を制御できず陽亢上擾し肝陽上亢となることもあります。

2.飲食(脾)
飲食の不節制により、脾の運化失調を引き起こすと、痰湿を内生させたり、食滞を生じたりします。これらが濁気となり、上擾して清陽を阻害し、頭痛を生じます。また、元来、脾胃虚弱で、気血の生成不足により、頭部が十分に栄養できない場合も、「不栄則痛」となり、頭痛が起こります。

3.腎虚
先天不足、老化、過労、房事過多などにより、腎精不足を生じると、脳髄が空虚となって、頭痛を起こします(腎主髄)。
また、腎精・腎陰の損傷は、「陰損及陽」により腎陽にまで及び、腎陽が衰微して清陽が頭部にいきわたらない場合も、頭痛がみられます。

4.久病(慢性疾患)
外感病・内傷病の頭痛は、どれも「久病入絡」により、長期にわたると気滞血瘀を併発し、脈絡の気血の停滞を起こし、これもまた、さらに頭痛の病因となります。
頭部の外傷や打撲、手術なども血瘀を引き起こすことがあります。

頭痛の病因病機図

漢方治療のポイント

頭痛は、頭痛が発症してからの期間、疼痛の性質・特徴・部位などに注意しながら漢方治療を進めていきます。治療のポイントは、まず、外感と内傷をハッキリ区別し、虚実の弁別を行うことです。

一般に、外感の頭痛は、発病が急で、痛みも激しい。外邪が病因であるため、実証が多く、治療するときは祛風散邪が主体となります。

一方、内傷頭痛は、経過は穏やかで、痛みも激しくない。虚証が多いが、実証や虚実夾雑もみられる。治療には、扶正或いは扶正袪邪が主体となります。

☆頭痛を引き起こす疾病は非常に多く、漢方における証候も様々です。
気温の変化などの外部環境、ストレス、食事、疲労、生活習慣、ホルモンバランス、他の慢性疾患など様々なことに影響を受ける疾患です。
漢方治療には、頭痛の部位や痛みの特徴、悪化条件や好転条件、随伴症状などから、臨機応変で、細やかな対応が必要となります。
是非、一度ご相談下さい。

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