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元気堂の漢方薬通信
  • 生理痛

VOL.151 生理痛 ~その6~

中医婦科学によると生理痛は、「痛経」或いは「経行腹痛」と呼ばれ、「月経期或いはその前後に、周期に応じて出現する下腹部や腰部の疼痛のこと。重症では劇痛となり、甚だしければ昏厥に至ることもある。」と定義されています。

今から約千四百年前の漢方の古典である『諸病源候論』には、「月経来潮時の腹痛は、気や血を労傷することにより身体が虚衰し、そこへ風冷の気が侵襲し胞絡に侵入して、衝脈、任脈、太陽小腸経、少陰心経を損傷して発症する。」とあり、生理痛の漢方治療の基礎となっています。

28歳の会社員の方、「生理の初日から3日目頃に下腹に重く引きつるような痛みが生じる。特に3日目が辛いことが多い。痛みは、悪心を伴うこともある。痛みは、冷えやストレスで悪化しやすく、温めると少し楽になる。生理前から頭痛になりやすい。手足の先の冷えが顕著。食欲は正常だが、疲れ気味で、肩こり、下肢の怠さ、目眩などがみられる。」といった症状でした。『肝寒犯胃』『血虚受寒』と考え、当帰四逆加呉茱萸生姜湯と瓊玉膏を服用していただきました。1ヶ月ほどで、手足の冷えも緩解し生理痛も軽くなってきました。3ヶ月ほどで、生理痛、頭痛ともに無くなり現在も服用中です。以前より、顔色も良く、お元気そうです。

生理痛を漢方的に分類すると、ストレスが痛みを引き起こす『肝気鬱結』、血液の流れが滞っていることによって痛みを生じる『血瘀』、辛い物やお酒の摂りすぎによる『湿熱下注』、反対に冷たい物の摂りすぎや身体を冷やしたことによる『寒凝胞中』、過労や睡眠不足などが原因になっている『気血虚弱』、『肝腎虚損』等々、多種にわたります。治療効果を上げるためには、症状の特徴を漢方的に分析、鑑別し、そのタイプの中から更に適した処方を決定していく事が重要です。特に痛みの状態や時期(生理前、生理前半、生理後半など)、悪化条件、好転条件などが肝心になります。

VOL.181 不妊と卵巣年齢

漢方では、不妊のことを「不孕(ふよう)」といいます。不孕の漢方相談にみえる方の多くは、不妊クリニックでの治療も行っています。なかには、「卵巣年齢は○才だそうです。」と話される方もいらっしゃいます。卵巣年齢の指標になるのはAMH(抗ミュラーホルモン)といって、卵巣の中に残っている卵子の数の目安となる数値です。卵子の質の指標ではないので、妊娠率と一致するものではありません。 「35歳、結婚して5年の主婦の方。顕微授精を2回行ったが妊娠に至らず、卵巣年齢は45歳と言われた。」すっかり落ち込んで、「私に […]

VOL.165 不妊~その15~

漢方では、不妊のことを「不孕(ふよう)」といいます。その中には、子宮筋腫などの婦人科の合併症のある方も漢方相談にいらっしゃいます。 「35歳、結婚して4年。お仕事は出張が多く、超多忙。子宮筋腫が複数あり、高プロラクチン血症もある。不妊クリニックで顕微授精を行ったが、妊娠に至らない。採卵できないこともある。月経周期は24~28日。経血の色は暗紫色で、時々塊が混じる。月経前は、イライラしやすく、胸が脹る。心配性で、睡眠が浅く、毎晩のようにお小水に起きる。胃腸が弱く、少食で下痢しやすい。時々立ちくらみ […]

VOL.66 花粉症~その5~

花粉症(アレルギー性鼻炎)は漢方では、「鼻きゅう」といい、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、涙目、目や喉の痒み等を共通の主症状としますが、まず、それ以外に付随する症状から、病態の分類を行います。漢方薬は個々の症状、体質に合わせて服用しないと効果がありません。「花粉症には、○○湯。」と決めつけず、他の疾患と同様、きちんと漢方的に分類する事が、治療する上で最も重要となります。 外部からの刺激が主な原因である「風寒」「中風」「風温」「風湿」、ストレスが関与する「肝気鬱結」「肝鬱化火」、身体の水分や血液の流れが […]

VOL.204 感染症予防と漢方

漢方の聖典といわれる《黄帝内経》には、 次のように記されています。「邪の湊まる所、其の気必ず虚す。」 「邪の在る所、皆不足を為す。」 漢方では、病気が発生したり、悪化したりするかどうかは、 正気と邪気の相互関係によるものと考えています。 正気は、ここでは人体の抗病能力と回復能力を指し、 気、血、津液、精などの総称です。 邪気はウィルスや細菌などをはじめとする様々な発病要因のことをいいます。ここで重要なことは、発病の決定的な要因は、 邪気の存在よりも、人体の正気の強弱であることです。 人体の正気が […]