元気堂の漢方薬通信
VOL.125 花粉症10
今年の春のスギ・ヒノキ科花粉飛散総数は、関東では昨年を上回り、全国的に平年の120~150%との予測です。また、全国の平均飛散量は、10年前と比較して約2倍になっているそうです。
33才のA子さん、「透明な鼻水が止まらず、くしゃみ、目の痒みを伴う。ストレスや不安感が多く、疲れやすい。ストレス時や月経前に目の周りの痒みがひどい。月経周期が不安定。小青竜湯や抗アレルギー剤を服用しているが無効。」といった症状でした。肝気鬱結証と判断し、逍遙散を服用していただきました。服用後すぐに症状が改善し不思議そうです。「肩こりもなくなって、気持ちもとても楽です。」と喜んでいただけました。
花粉症(アレルギー性鼻炎)は漢方では、「鼻鼽」といい、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、涙目、目や喉の痒み等を共通の主症状としますが、まず、それ以外に付随する症状から、病態の分類を行います。「花粉症」という病名にとらわれずに、きちんと漢方的に分類する事が、治療する上で最も重要となります。当薬局では、花粉症を大きく二十三のパターンに分類し、約五十種類の処方を使い分けています。
その中の一つにA子さんのようにストレスの影響が強い肝気鬱結証が見られます。ストレスのために、身体の気の流れが悪くなり、アレルギーを引き起こすのが原因です。ストレスや緊張時、月経前などにひどくなるのが特徴で、花粉症の方は要チェックです。漢方薬を上手に使って、花粉症もストレスも乗り切りましょう。