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元気堂の漢方薬通信
  • 腰痛

VOL.33 腰痛

以前、当薬局の近くにお住まいで、ご主人のお仕事の関係で、関西の方に転居された40歳の女性からのお電話。「過労や睡眠不足が続くと腰が痛くなり、身体に力が入らない。痛みは突っ張る様なときと絞られるようなときがあり、お風呂や携帯用カイロで、温めたり、さすったりすると楽である。寒い日や薄着で冷やすと悪化する。食欲はいつもと変わらないが、腰痛が起きて以来、やや便秘気味である。」といった内容でした。

通常の体質は、既知の上だったので、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)と桂枝加大黄湯(けいしかだいおうとう)を併用していただくことにしました。一週間後、便通も良くなり、元気な声でお電話を頂きました。生活習慣は改善できそうもないので、現在は予防に双和湯(そうわとう)を服用中です。

中国医学百科全集によると「腰部の一側或いは二側の疼痛。或いは痛みが背脊腿胯に及び、或いは腰部が屈伸転側しがたい等のものを腰痛と称す。」としています。女性の活躍が目覚ましい世の中のせいか、無理をなさっている方も多く、当薬局でも、女性の腰痛の相談が多くなっているように思います。

腰痛は、痛みの状態や悪化条件、好転条件などから、
・冷えによる『実寒証』
・湿気による『外湿証』
・血の流れが悪い『オ血証』
・ストレスや神経疲労による『肝気鬱結証』
・老化などに伴う『腎虚証』
・過労による『気虚証』や『気血両虚証』
などに分類し治療方針を決定していきます。そしてその治療方針に則って漢方薬が調合されます。特に寒熱の分類が重要なポイントになります。

VOL.54 日本人に合った漢方薬

世の中は、漢方ブームなのか、最近、旅行のお土産や個人輸入などで、漢方薬や中国の健康食品などを購入され、それの使い方がわからないなどのお問い合わせが、以前より増えているようです。また、個人輸入の健康食品による副作用などの問題も多く見られています。 漢方には「因地制宜」といった考え方があり、地域が異なると、気候条件や生活習慣も異なり、また人の体質、発生しやすい疾病の種類や特徴なども異なるとされています。つまり、中国大陸における中医学は大変素晴らしいと思うのですが、それを風土・体質が違う日本人にそのま […]

VOL.31 喘息(ぜんそく)

ある日の午前中の事です。三十代半ばくらいの女性が来局し、「子供が喘息なので、小青竜湯をください。」との事。お話をお聴きすると、「小学一年生の女の子、月に1~2回の発作を繰り返し、今も軽い発作が起きている。咳やゼーゼー、黄色い粘っこい痰をだす。喉が渇いて、冷たい物を欲しがる。」といった症状でした。 小青竜湯の適応である『冷哮』の「透明~白い痰をだす。喉は渇かず、温かい物を好む…。」とは、まるっきり当てはまらず、むしろ正反対の『熱哮』のパターン。その方に、「同じ小児喘息でも漢方では、タイプによって処 […]

VOL.165 不妊~その15~

漢方では、不妊のことを「不孕(ふよう)」といいます。その中には、子宮筋腫などの婦人科の合併症のある方も漢方相談にいらっしゃいます。 「35歳、結婚して4年。お仕事は出張が多く、超多忙。子宮筋腫が複数あり、高プロラクチン血症もある。不妊クリニックで顕微授精を行ったが、妊娠に至らない。採卵できないこともある。月経周期は24~28日。経血の色は暗紫色で、時々塊が混じる。月経前は、イライラしやすく、胸が脹る。心配性で、睡眠が浅く、毎晩のようにお小水に起きる。胃腸が弱く、少食で下痢しやすい。時々立ちくらみ […]

VOL.85 不妊 ~その4~

漢方では、「妊娠適齢な女性が避妊を行わずに、結婚後3年以上妊娠しないこと」または、「過去に妊娠歴があって避妊せずに3年以上妊娠しないこと」を不妊(漢方では不孕(ふよう)といいます。)としています。 実際のご相談の中では、このようなケースが多いのはもちろんですが、それ以外に「流産しやすい」といった方のご相談も多くみられます。 「流産」は漢方では、「堕胎」「小産」「滑胎」などと称し、西洋医学では、妊娠22週未満までに妊娠が継続できなくなることとされています。 その中で、胎児が子宮内で死亡してしまう流 […]