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元気堂の漢方薬通信
  • アトピー性皮膚炎

VOL.201 ストレスとアトピー性皮膚炎

成人のアトピー性皮膚炎は、幼少期に発症しそのまま消退せず成人まで続く場合と、外部環境、ストレス、過労、食事の偏りなど、様々なことから、成人になって再燃する場合がみられます。

「38才のA子さん。幼い頃から身体が弱く、アレルギー体質だったが、大きな皮膚のトラブルは無かった。18才の時、大学受験でストレスがかかり、皮膚の痒みや紅斑が発症。その後、外用剤などで症状は落ち着いたが、ストレスなどのきっかけで発症する。現在は、背中からお尻、足にかけて赤みと痒み、乾燥、落屑があり、ジュクジュクしている部分も多い。イライラや不安感があり、月経が不安定。暑がりだが、足が冷える。」

まずは、今の症状を緩和するため、標治として千金内托散を服用していただき、ジュクジュクが治まったところで、本治として疏肝清熱、補益気血を目的に、丹梔逍遙散合四物湯を服用していただきました。1年ほど服用していただいていますが、現在は、痒みなどの皮膚の症状はみられず、月経も安定しています。

小児のアトピー性皮膚炎の場合、食事や胃腸虚弱などの影響による「脾虚」タイプが多くみられますが、成人の場合は、ストレスによる「肝気鬱結」や「心脾両虚」、過労や睡眠不足などによる「気血両虚」や「陰虚火旺」などのタイプが多くなります。
漢方薬は、西洋医学的な基準や漢方理論に基づかない方法では、効果は期待できません。漢方治療において、最も重要なことは皮膚症状や個々の体質をきちんと把握し、漢方的に判断して処方を選択することです。臨機応変で、細やかな対応が必要となります。

VOL.69 にきび~その2~

ニキビというと、中高生の顔にできるものというイメージがありますが、当薬局では、十代の方よりも二十代、三十代の成人ニキビのご相談の方が多くみられます。漢方においては十代のニキビは、成長期に伴う脾胃の活動過多や女子では月経開始による血熱などが原因になっているのに対し、成人ニキビでは、ストレスや過労、胃腸障害などが関わっている場合が多くみられます。当然、治療法は同じではありません。 Kさんは30才の女性。「十代の頃はあまりニキビに縁がなかった。頬と顎にできやすく、やや赤みが強い。月経前やストレス、過労 […]

VOL.168 アトピー性皮膚炎~その23~

アトピー性皮膚炎の漢方治療において、寒証と熱証の鑑別は、最も重要なことの一つです。皮膚が赤くなっているから熱を持っているとは限りません。素手で雪や氷を握っていると手が赤くなるように、冷えによっても赤みは生じます。 更に、「真寒仮熱」という証候がみられることも少なくありません。 「真寒仮熱」とは、体内の冷え(寒)が強いために、微弱な陽気が外に追いやられ、体表や四肢、頭部顔面などに熱証のような仮の症状がみられることをいいます。 36才の男性Aさん。「小学生のころからアトピー性皮膚炎。ストレスなどをき […]

VOL.126 頭痛5

27才のA子さん。 「10才頃から、後頭部を中心に頭痛が起こる。部位は移動することがある。時に目眩、悪心、嘔吐を伴う。ストレス、疲労、起床時、目の疲労などによって悪化しやすく、月経前後に特に発症しやすい。疲れやすく、肩こりも激しい。睡眠がやや浅い。夜中に足がつる。月経不調、月経前にイライラが激しい。」との事。 「肝陽上亢」「痰飲」に「精血不足」を兼ねていると考え、釣藤散と瓊玉膏を服用していただきました。一ヶ月後、月に何度も発症していた頭痛が月経前だけになり、その後も次第に頭痛が起こらなくなり、「 […]

漢方薬通信VOL.229 アトピー性皮膚炎と経皮感作

 近年のアトピー性皮膚炎の研究においては、「皮膚のバリア破壊」と「経皮感作」が重要なワードになっています。アトピー性皮膚炎は、環境要因や遺伝的な体質などから、皮膚のバリア機能が低下することにより発症し、アレルゲンや細菌などの異物が入りやすくなるため経皮感作が進み、さらにアレルギー体質が増強するとされています。  これを漢方的に考察すると、アトピー性皮膚炎の発症の根本は、人体の防御作用を担う衛気をはじめとする正気(気・血・津液・精・陰・陽)の不足と考えることができます。つまり、発病の基礎となる正気 […]