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元気堂の漢方薬通信
  • 月経不順

VOL.190 無月経症の漢方治療

18才以上になっても初潮がなかったり、或いは月経が3ヶ月以上中断しているものを「経閉(無月経症)」といいます。無月経は、大きく「生理的無月経」と「病的無月経」に分類することができます。生理的無月経とは、初潮が来る前や閉経後、妊娠中、産後の授乳期などの、病的ではなく治療を必要としない無月経を指します。一方、病的無月経とは、本来月経があるはずの時期において、異常な月経停止が起こっている状態を指します。

「30才のAさん。半年ほど前から、月経が来ない。以前より月経周期がバラバラで、20日から4ヶ月くらい。月経前には、胸が張り、イライラしやすくなる。勤務先でのストレスが多い。目の疲れ、首や肩の凝りが強く、頭痛もたびたび起こる。食欲は正常だが、便秘と下痢をくり返す。起床時の疲労感が強い。」とのこと。
ストレスによる肝気鬱結と肝腎虧損が主な原因と考え、逍遙散と鹿角膠や竜眼肉の入った製剤を併用して、服用していただくことにしました。

1ヶ月ほどして、月経来潮。その後、30から60日くらいの間で、月経があり、1年ほどで、毎月定期的に月経があるようになりました。ストレスから来る体調不良も緩和され、お元気そうです。
漢方治療では、同じ無月経症でも、その方の体質や現在の症状、今までの経緯などから、治療パターンは異なります。よく見られるパターンとしては、「肝腎虧損」「気血虧虚」「陰虚内熱」「肝気鬱結」「気滞血瘀」「血寒凝滞」「痰湿阻滞」などがあります。いくつかの証候が絡みあっていることも多く、患者さん一人一人の病状や体質に合わせて、きちんと漢方的に分類し、処方を決定することが治療の早道となります。

VOL.34 膀胱炎

梅雨入りして、数日後のある日、20代半ばの女性が来店されました。 「すみません、猪苓湯下さい。」これは膀胱炎かなと思いながら、いくつか症状をお聞きすると、「以前から膀胱炎になりやすく、他の薬局で『膀胱炎には猪苓湯だよ。』と奨められ二週間ほど飲んでみたがあまり良くならない。」との事。 症状としては「下腹部に不快感があり、軽度の排尿痛がある。小便は回数が多いが、量が少ない。小便の色は、淡黄か無色透明。下半身が重だるく、冷えると悪化する。」猪苓湯の使用目標の「血尿」も「小便黄赤」も「喉の渇き」もまるで […]

VOL.212 冬の養生法

漢方の聖典の一つである『黄帝内経素問』の四気調神大論には、 「冬三月、此れを閉蔵と謂(い)う。水凍り、地裂ける。陽を擾(みだ)すことなかれ。」と書かれており、冬は、万物の機能が閉蔵し、寒さが強いため、人体の陽気の損傷に気をつける必要があることを説いています。 1.寒さ対策 『黄帝内経素問』の厥論には、「陽気は足の五指の表より起こり、陰脈なる者は、足下に集まりて足心に聚(あつ)まる。」と記されています。足には重要な三つの陽経の終点の経穴と三つの陰経の起点の経穴があります。漢方では、「寒従脚起」とい […]

VOL.164 手湿疹

「手湿疹」とは、物質による刺激やアレルギーによって生じる手のひらや指の皮膚炎のことをいいます。皮膚の表面を保護する角層間脂質が少ない体質であったり、職業・家事などで水やシャンプー・洗剤などをしょっちゅう使うことで角層間脂質や天然保湿因子が減ると起こりやすくなります。 60才のA子さん。「以前、石鹸の会社で仕事をしていた頃に、手湿疹を発症した。手掌、手指が荒れ、皮膚の乾燥・剥離がはげしく、亀裂も生じてくる。手が火照る感じの熱感がある。水仕事などが多いときはもちろん、疲労やストレス、睡眠不足で悪化す […]

VOL.163 膝の痛み ~その2~

膝は、関節の自由度が大きく、かつ不安定関節であるにも拘わらず、体重の負荷が掛かりやすいため、損傷しやすい部位の一つです。痛みとともに、可動制限や腫れ、水が溜まるなどの症状を伴うことも多くみられます。 「74歳のA子さん、半年程前から膝のやや内側やふくらはぎなどが痛む。痛みは引きつるような痛みが多く、時折刺すように痛むこともある。膝裏が引きつることもある。普段から、下半身が重だるく、疲れやすい。痛みは、冷えや疲労で悪化しやすい。食欲正常で温かいものを好む。」とのことでした。 気血両虚、肝腎虚損に瘀 […]