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元気堂の漢方薬通信
  • 不妊

VOL.159 不妊~その14~

漢方では、不妊のことを「不孕(ふよう)」といいます。

最近は、“二人目不妊”でご相談にみえる方が増えているようです。

「38歳、結婚して10年。6才の男の子がいるが、なかなか“二人目”に恵まれない。月経周期は26~28日。月経痛が月経前半に辛い。経血は暗紅色で塊が混じる。いつもは心配性だが、月経前はイライラしやすく、胸が脹り、腹痛がある。頭痛持ちで、排卵期と月経前に悪化しやすい。寒がりで手足が冷えやすい。身体がだるく、浮腫みや、めまいが起こりやすい。」とのこと。月経周期のほとんどの時期に何らかのお身体の不調があるのに、お仕事が多忙で、かなり無理をしているようです。

痰湿証に肝気鬱結証、瘀血証を兼ねていると考え、当帰芍薬散、逍遙散と折衝飲を月経周期に合わせて、飲み分けていただきました。また、腎精を補うために鹿茸大補湯を併用しました。服用開始から約1年、月経痛や頭痛などがほとんどなくなり、お元気そうです。その後、めでたく妊娠され、安胎の漢方薬を服用し、先日、元気な女の赤ちゃんが誕生しました。ママは、久々の育児で、嬉しい悲鳴をあげつつ、満面の笑みです。

核家族化といわれて久しいですが、そのためか、出産後充分に養生できない方、育児と、家事やお仕事の両立などで、身体的、精神的に無理している方も多いのでしょう。“二人目不妊”が増えている原因かもしれません。

漢方薬で、月経や全身の状態をきめ細やかにケアして、妊娠しやすいコンディションにしていきましょう。

当薬局では、不妊のご相談は出産経験のある女性薬剤師が主に対応させていただいております。安心して、ご相談下さい。

VOL.217 胃熱などによるニキビ

 ニキビは、皮膚科学では「尋常性痤瘡」といい、毛嚢と皮脂腺の慢性炎症による毛包炎の一種です。漢方では「粉刺」といい、六淫といわれる外的刺激、飲食の不摂生、イライラ・不安などのストレス、ホルモンの失調、心身の疲労、等々により発症するとされています。  Aさんは35才の男性、「額と顔の輪郭に沿って、やや赤みが強いニキビがみられる。脂っこい食事や過食をすると悪化しやすい。ガッシリした体格で、よく運動もしているが、コレステロール値は高めである。身体の冷えは無く、むしろ暑がり、排便は2日に1回程度。」との […]

VOL.166 蕁麻疹~その3~

蕁麻疹というと、食物や薬に反応したりするケースを想像しがちですが、西洋医学でも「非アレルギー性、慢性、特発性の蕁麻疹が全体の約6割を占める。」といわれています。当薬局の店頭でも、食物などよりもストレスや疲労が原因とみられる蕁麻疹が多いように思います。 55才のA子さん、「1ヶ月前から、痒みの強い皮疹が出現し、消長を繰り返す。皮疹は夜間に特に悪化する。ここ数ヶ月多忙で、ストレスも多い。喉の閉塞感がある。疲れているのに眠りが浅く、夜中に目が覚める。喉が渇くが一度に多量には飲まない。お腹が張りやすい。 […]

VOL.204 感染症予防と漢方

漢方の聖典といわれる《黄帝内経》には、 次のように記されています。「邪の湊まる所、其の気必ず虚す。」 「邪の在る所、皆不足を為す。」 漢方では、病気が発生したり、悪化したりするかどうかは、 正気と邪気の相互関係によるものと考えています。 正気は、ここでは人体の抗病能力と回復能力を指し、 気、血、津液、精などの総称です。 邪気はウィルスや細菌などをはじめとする様々な発病要因のことをいいます。ここで重要なことは、発病の決定的な要因は、 邪気の存在よりも、人体の正気の強弱であることです。 人体の正気が […]

VOL.141 五十肩 2

52才のSさん。「左肩の関節や肩周囲が重苦しく痛み、腕が挙げられない。痛みは重だるさを伴い、動かすと刺すような痛みがする。ひどいときは、パソコンの操作や運転もしにくいほど激痛。過労や雨などの多湿で悪化し、入浴すると少しだけ楽になる。」との事。「寒湿」と「血瘀」を兼ねていると考え、二朮湯と補陽還五湯を服用して頂くことにしました。Sさんの状態と漢方薬がうまく適合できたようで、一週間で著効がみられました。腕を挙げてみせてくれて、嬉しそうです。 五十肩は、西洋医学では「肩関節周囲炎」といわれ、40~50 […]