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元気堂の漢方薬通信
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VOL.55 不妊

『中医症状鑑別診断学』によると、「妊娠適齢な女性が避妊を行わずに、結婚後3年以上妊娠しないこと」または、「過去に妊娠歴があって避妊せずに3年以上妊娠しないこと」を不妊(漢方では不孕(ふよう)といいます。)としています。前者を「原発性不孕」後者を「継発性不孕」といいます。

「30歳の女性。結婚して4年になるが、子供ができない。月経周期は安定しているが、月経痛が激しく、温めると楽になる。お腹や手足が冷える。ストレスも多く、疲れやすい。肩こり、腰痛もある。」とのお話でした。肝気鬱結証に陽虚証を兼ねていると考え、「人参当芍散」を服用していただくことにしました。母体の気血をしっかり調えるため、「瓊玉膏」も併用しました。1ヶ月の服用で月経痛は軽かったとの事。1年ほどでめでたく妊娠。現在は、可愛い女の子のお母さんです。

漢方では不妊を月経や全身の症状から、「腎陽虚証」「腎陰虚証」「気血両虚証」「肝気鬱結証」「痰湿証」「血証」などに分類し、それぞれに応じた三十ほどの処方を組み合わせていきます。また、これといったトラブルが見当たらないのに妊娠しない場合には、月経周期を「月経期」「低温期」「排卵期」「高温期」に分割し、時期ごとに漢方薬を服み分ける「漢方周期療法」を用います。

女性の活躍が目覚ましい世の中のせいか、ストレスや過労で無理をなさっている方が多く、それが不妊だけでなく様々な疾患の原因になっているようです。体に優しい本物の漢方薬で快適に乗り切りましょう。

VOL.186 不妊と排卵痛の漢方治療

漢方では、不妊のことを「不孕(ふよう)」といいます。不孕の漢方相談の際には、月経の状態や体調をお聞きします。月経痛がつらいという方も多いですが、なかには、排卵痛が気になる方も少なくありません。排卵痛とは、排卵日やその前後の数日間に感じる痛みのことをいいます。卵巣のあるあたりに痛みを感じる方が多く、痛みの程度や頻度はひとそれぞれで、疲れやストレスが影響することもあります。また、頭痛や、吐き気、浮腫などを伴うこともあります。「29歳、結婚して3年になる看護師さん。月経周期は30日。経血は暗紫色で塊が […]

VOL.128 生理痛~その5~

中医婦科学によると生理痛は、「痛経」或いは「経行腹痛」と呼ばれ、「月経期或いはその前後に、周期的に出現する下腹部や腰部の疼痛のこと。重症では劇痛となり、甚だしければ昏厥に至ることもある。」と定義されています。  42歳の会社員の方、「生理の後半と生理後に重く引きつるような痛みが下腹から横腹に生じる。痛みは、温めると少し楽になる。食欲は正常だが、疲れ気味で、肩こり、腰痛、眼精疲労がみられる。爪が脆く二枚爪になりやすい。睡眠中に足が攣ることが多い。」といった症状でした。『血虚証』と考え、四物湯と安中 […]

VOL.200 更年期のホットフラッシュ

日本産科婦人科学会のホームページによると「更年期障害の主な原因は女性ホルモンが大きくゆらぎながら低下していくことですが、その上に加齢などの身体的因子、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられています。」と定義されています。 一方、漢方では、更年期障害を経断前後諸症などと呼び、その原因を「加齢に伴って腎精(ホルモン)が減少し、その結果、肝、心、脾などが影響を受けて発生する陰陽失調」としており、表現は異なりますが、似たような定 […]

VOL.104 アトピー性皮膚炎12

「36才のA子さん。幼少期は、乾燥肌程度だったが、一年ほど前から、顔(特に目の周囲、頰)や首を中心に、紅斑、鱗屑がみられ、乾燥し痒みが甚だしい。アトピー性皮膚炎と診断され、断続的にステロイド軟膏にて治療している。入浴後、疲労、睡眠不足、飲酒後などで悪化しやすく、起床時は比較的軽く、夕方にひどくなりやすい。便秘はなく普段からやや軟便気味。」との事でした。 患部症状や体質などから、「陰虚火旺」と「脾気虚」タイプと判断し、知柏地黄丸と参苓白朮散を服用していただくことにして、スキンケアの指導もさせていた […]