お問い合わせ・ご予約はこちら

0120-67-4193

お問い合わせフォーム

JR東船橋駅 南口前
定休日
日曜・月曜・祝日

元気堂の漢方薬通信 Blog

VOL.176 産後の不調

漢方では、出産後から産褥期までの間に発症する分娩や産褥と関連性のある疾病を「産後病」といいます。漢方の聖典の一つである『金匱要略』でも「婦人産後病脈証并治」として専門的に論述しています。現代の中医婦科学(産婦人科のこと)の文献においても、産後血暈、産後痙証、産後腹痛、産後悪露不絶、産後発熱、産後大便難、産後排尿異常、産後自汗或いは盗汗、産後身痛、缺乳(乳汁不足)、乳汁自出などの記載がみられ、産後病を重要視しています。 39才のAさん、「出産して2ヶ月目。疲れ切っているのに寝つきが悪く、睡眠が浅い […]

VOL.175 低体温を伴う頭痛

頭痛は、臨床上よくみられる自覚症状の一種で、頭痛を引き起こす疾病は多岐にわたります。西洋医学でも、頭痛専門の頭痛外来も多くなり、頭痛で悩んでいる患者さんは増加しています。最近は、スマホやパソコンなどで、目に負担をかけていることから、眼痛・眩暈・耳鳴・肩こりなどを伴うケースも少なくありません。 16才の高校生A子さん。「昨年の春から、後頭部が重く痛み、倦怠感、目眩などを伴う。授業中など、緊張やストレスで悪化しやすい。月経前にイライラしたり、胸が張って痛くなる。月経痛が重い。低体温で35℃台、足が冷 […]

VOL.174 多嚢胞性卵巣症候群

健康な状態では、月経周期に発育を開始した卵胞のうち、1個の卵胞(主席卵胞)が大きくなり、これが、排卵します。そして、いっしょに発育を始めたほかの卵胞は萎縮していきます。ところが、多嚢胞性卵巣症候群の場合は、主席卵胞ができず、発育を始めた多数の卵胞が、みな発育途上となり、排卵できないまま、卵子だけが萎縮します。空になった卵胞が卵巣に残り、これを超音波で見ると、嚢胞が列になっていて、まるでネックレスのように見えます。これを、「ネックレスサイン」といい、多嚢胞性卵巣症候群を診断する際の特徴的な症状です […]

VOL.173 花粉症も十人十色

漢方では外部環境の変化により疾病を引き起こすものを外邪と称し、「風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・熱邪」の六つをあげています。花粉症では、スギ花粉が春風に乗ってやってくるので「風邪(ふうじゃ)」の性質を中心に考えることが多くなります。体質的に冷えが強い場合の「陽虚」、体力の低下による「気虚」、胃腸が弱い「脾胃虚弱」、水液の代謝が悪い「湿痰」、ストレスによる「肝気鬱結」…等々の人が、風邪を主とした「風寒」「風熱」「風湿」…等の外部からの刺激を受けると花粉症を発症すると考えられています。 31才の女性の […]

VOL.172 冷えが強いために起こる便秘

Aさんは、22才。知人の薬局さんからのご紹介。 「中学生の頃から少しずつ便秘になり始め、昨年秋から特にひどくなり、時には7日に1回くらいしか排便がない。今まで、麻子仁丸や桂枝加芍薬大黄湯などを服用したことがあるが、腹痛や下痢を発症する。四肢や腹部などが冷えやすく、便秘も冬季に悪化する。ストレスや生理前もひどくなりやすい。お腹が張ることが多い。風邪を引きやすい。」とのこと。陽気の不足と脾虚肝乗を兼ねた便秘と考え、建理湯を服用していただくことにしました。20日ほどして、来局された時には「毎日、便通が […]

VOL.171 不妊と卵巣過剰刺激症候群(OHSS)

漢方では、不妊のことを「不孕(ふよう)」といいます。不孕の漢方相談にいらっしゃる方の多くは、不妊クリニックでの治療も行っています。なかには、排卵誘発剤を用いていて「卵巣が腫れているから、治療を少しお休みしましょう」と言われる方もいらっしゃいます。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)かもしれません。 「38歳、結婚して2年が経過する方。お仕事が超多忙で、家事との両立に苦心している。疲れやすく、体重が減少し、月経が来なくなってしまった。心配になり婦人科を受診。排卵誘発剤があれば月経が来るが、卵巣が腫れたた […]

VOL.170 アトピー性皮膚炎 ~その24~

アトピー性皮膚炎は、当薬局で最もご相談が多い疾患です。漢方的にみるとその発症の根幹は、気・血・津液・精などの正気が不足することにより、皮膚バリアが低下したために、暑さ、寒さ、乾燥、湿気などの環境の変化やハウスダスト、食物などのアレルゲンに反応しやすくなることと考えられます。 この場合、根本原因である正気の不足を補うなどの治療を「本治」、アレルゲンなどにより誘発・増悪した症状を抑える治療を「標治」といいます。 「20才のA君、身体全体に、紅斑、丘疹、乾燥、落屑、皹裂などがみられ、赤みが強い。特に胸 […]

VOL.169 慢性咽頭炎

咽喉は、経脈の循行が多く、呼吸や飲食の通り道でもあり、そのため五臓六腑と密接な関係があります。中でも肺・胃・脾・腎・肝の病変は咽喉に反映することが多いです。慢性咽頭炎の原因を漢方的に考えてみますと、まず、「風寒」「風熱」などの外邪により急性咽頭炎を発症し、長期化したり繰り返すことにより引き起こされる場合があります。その他、飲食の不摂生や喫煙などによる「湿熱」や「肺胃熱盛」、過労などによる「肺陰虧損」や「陰虚火旺」「脾肺気虚」、ストレスなどによる「肝気鬱結」「肝火上炎」「気滞血瘀」「気滞痰凝」など […]

VOL.168 アトピー性皮膚炎~その23~

アトピー性皮膚炎の漢方治療において、寒証と熱証の鑑別は、最も重要なことの一つです。皮膚が赤くなっているから熱を持っているとは限りません。素手で雪や氷を握っていると手が赤くなるように、冷えによっても赤みは生じます。 更に、「真寒仮熱」という証候がみられることも少なくありません。 「真寒仮熱」とは、体内の冷え(寒)が強いために、微弱な陽気が外に追いやられ、体表や四肢、頭部顔面などに熱証のような仮の症状がみられることをいいます。 36才の男性Aさん。「小学生のころからアトピー性皮膚炎。ストレスなどをき […]