VOL.194 ストレスで悪化する喘息
日本呼吸器学会のホームページによると、「喘息は気道に炎症が続き、さまざまな刺激に気道が敏感になって発作的に気道が狭くなることを繰り返す病気」とされています。
症状は「発作的に咳や痰が出て、ゼーゼー、ヒューヒューという音を伴って息苦しくなり、夜間や早朝に出やすい。」のが特徴です。
ダニ、花粉や食物などのアレルギー、感染症、自律神経の失調、精神的要因、ホルモン異常など、喘息の発症には、さまざまな原因が複雑に絡み合っていると考えられています。
32才のAさん。「以前から、時々、喘息発作を起こすことがあったが、最近、お仕事が忙しく、疲れとストレスにより、息苦しさや咳が続いている。透明な痰が少量出る。咽や鼻がつまる感じがする。手足が冷えやすく、寒いときに症状が出やすい。肩こりや腰痛がある。」とのこと。普段から陽虚体質で、そこへストレスのために肝の疏泄が失調し、肝気犯肺していると考え、四逆湯と逍遙散を服用していただくことにしました。息苦しさなどの症状は、半月ほどで激減し、1ヶ月ほどで、ほとんど無くなりました。現在は、緩解期の体質改善をしているところです。
漢方では、肺の宣発・粛降の失調を中心に、腎の納気、肝の疏泄、脾の運化などの不調をポイントに、喘息の症状を分析し、不調の原因を探っていきます。通常、発作期と緩解期に分けて治療を行います。
「肺気虚」「肺陽虚」「肺陰虚」「腎不納気」「肝気鬱結」「脾肺気虚」・・・等々のパターンに分類し、さらに、検討して、その方の症状や体質に合った漢方薬を決定します。
もちろん、冷えやストレスへの対策、飲食の摂生、睡眠や休養の確保なども大切です。