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元気堂の漢方薬通信
  • 喘息

VOL.62 喘息 ~その2~

喘息のお子さんを持つお母さんの会でお話をさせていただいた時の事です。
講演後に、一人のお母さんから「うちの子は小青竜湯をずっと服用しているのですが、あまり効果がありません。漢方薬が効かない体質なのでしょうか?」とご質問を受けました。

症状をうかがうと、「疲れると発作が起きる、季節の変わり目や急に冷え込んだ時なども発作が起きやすい、発作時はゼーゼーして透明から白っぽい痰をだす。疲れやすく食が細い、カゼをひきやすい、汗かき。」といった様子。
漢方では、小青竜湯は、せいぜい発作期の『冷哮』タイプに使う程度の薬なので、このお子さんには、あてはまらないと思い、漢方は個々の症状、体質に合わせて服用しないと効果がないことをお話ししました。

数日後、お母さんが、お子さんを連れて、当薬局にやってきました。もう少し詳しく症状をお聴きして、結局、医王湯と玄武湯を服用して頂くことにしました。

二週間ほどして、「あれから、発作は出ていません。食欲も出てきて、顔色も良くなった様な気がします。」とお母さん。
その後も続けて服用中ですが、あまり大きな発作はみられないようです。また、食欲は以前とは比べものにならないくらい旺盛になりました。

漢方では、症状や体質から、『喘息』を発作期と緩解期に分類し、更に発作期を『冷哮』『熱哮』『痰哮』等に分け、緩解期を『肺気虚』『肺陽虚』『肺陰虚』『脾気虚』『腎不納気』『腎陽虚』『腎陽虚水泛』『腎陰虚』『湿困脾胃』等に分け、治療方針を決めていきます。当薬局で用いる処方は六十処方を超えます。「喘息だから、○○湯。」と決めつけず、きちんと漢方的に分類する事が、治療の早道です。

VOL.60 アトピー性皮膚炎4

今回も当薬局で最近ご相談が多い「アトピー性皮膚炎」です。 「35歳の男性。幼少期よりアトピー性皮膚炎。断続的にステロイド軟膏にて治療している。全身にわたり皮膚暗褐色~濃紅色で乾燥、痒みが甚だしい。患部は肥厚や落屑、皹裂などがみられる。夕刻や入浴後、疲労、睡眠不足で悪化する。夕刻になると頬や手足が火照り喉が乾いてくる。盗汗をかきやすい。やや便秘気味。」との事でした。患部症状や病歴から『陰虚火旺』タイプと判断し、知柏地黄丸を服用してもらうことにして、スキンケアの指導もさせていただきました。 30日ほ […]

VOL.103 頭痛4

36才のAさん。 「2年ほど前から、側頭から後頭部にかけて隠痛或いは脹痛を生じ、目眩を伴う。ストレス、疲労などによって悪化しやすく、生理前後は特に発症しやすい。疲れやすく、不安、イライラ、耳鳴がある。緊張しやすく、目が疲れ、首や肩が強ばっている。」との事。 「肝気鬱結」と「気血両虚」を兼ねていると考え、逍遙散と十全大補湯を服用していただきました。 一ヶ月ほどで、次第に頭痛が起こらなくなりました。一日おきに服用していた鎮痛剤もほとんど不要になり、「漢方薬って効くんですね。」と喜んでいただけました。 […]

VOL.94 無排卵性月経

無排卵性月経とは、出血はあるものの、排卵が認められない生理のことをいいます。高温期と低温期の差がなく、月経周期が不安定で不正出血が起こりやすいのが特徴です。 無排卵の状態で放置しておくと、不妊や無月経の原因になるほか、更年期以降の子宮がん発生率も高くなってしまうこともあります。 30才のA子さん、「基礎体温が高温と低温の二相にならず、月経周期が25~40日くらいで一定しなくなったため、病院に行ったら『排卵していない』と言われた。 少し前にストレスが多い状態が続き、イライラしていた。足が冷え、肩こ […]

VOL.82 更年期障害 ~その2~

更年期障害は西洋医学では、卵巣機能の低下によるホルモンの分泌不足、家庭環境や社会環境の変化による精神的ストレスなどを原因とする閉経前後にみられる身体的、精神的な諸症状とされています。漢方では経断前後諸症などと称し、閉経前後に腎精が急速に減少することにより、精神活動の要である「心」、自律神経と関わりの深い「肝」、決断力や快適な睡眠を生み出す「胆」などに影響を及ぼすことによって起こる身体のバランスの失調と考えています。腎精の消耗は閉経だけでなく、過労や不摂生などでもおこりますので、年齢に関係なく更年 […]