お問い合わせ・ご予約はこちら

0120-67-4193

お問い合わせフォーム

JR東船橋駅 南口前
定休日
日曜・月曜・祝日
元気堂の漢方薬通信
  • アトピー性皮膚炎

VOL.179 冷えを伴うアトピー性皮膚炎

漢方の診断や治療の際、弁証論治という方法を用いますが、その中でも基本となるのが、表裏・寒熱・虚実・陰陽という八綱弁証です。アトピー性皮膚炎の漢方治療において、特に重要になるのが寒熱の鑑別です。ここで、気をつけなくてはならないのが、真寒仮熱というケースです。身体の冷えが重度のために、かえって皮膚などの身体の表面には熱症状がみられるもので、この場合、皮膚が赤いからといって、冷やす漢方薬を使うのではなく、身体の冷えの治療を主としなくてはなりません。
「16才のA子さん。背中や腕を中心に、晦暗色の紅斑、乾燥、血痂、鱗屑がみられ、痒みが甚だしい。体温が低く、いつも35℃台。足が特に冷える。身体がだるく、眠くなりやすい。ストレスなどで、目眩や頭痛、肩こりが起こりやすい。月経前は特にイライラしやすい。月経痛が激しい。やや便秘傾向。皮膚の痒みは、入浴後、疲労などで悪化しやすく、入浴中は緩解する。」とのことでした。「真寒仮熱」と「肝鬱血虚」を兼ねていると考え、附子理中湯と当帰芍薬散を服用していただくことにして、スキンケアの指導もさせていただきました。2ヶ月ほどの服用で、体温が36℃を越えるようになり、頭痛、目眩、月経痛などのつらい症状は、ほぼなくなり、半年ほどで、皮膚もキレイになってきました。
アトピー性皮膚炎において、真寒仮熱のケースは、かなりの割合でみられ、めずらしくはありません。ただ、判別は難しく、個々の患者さんの症状に合わせた、臨機応変で細やかな対応が必要となります。また、中国などに比べ、日本人にアトピー性皮膚炎が多いのは、体質や生活様式によるものだと考えられます。当薬局では、その部分に重点を置き、中医皮膚病学をベースに日本人の体質に合わせて、独自の漢方治療を行っています。是非、一度ご相談下さい。

VOL.61 生理痛 ~その2~

32歳の女性、 「生理の初日と二日目に、下腹部が冷えて絞られるような強い痛みがある。痛みは、温めると楽になり、冷えると悪化する。寒がりではないが、手足が冷える。月経周期は35日くらい。以前、他の漢方薬局で血府逐お湯を奨められて服用してみたが無効だった。」 との事。 血府逐お湯が出番となる「気滞血お証」にしては、経前乳脹や刺痛或いは拍動痛などがみられません。「気滞血お証」ではなく「実寒証」と判断し、安中散と四物湯を一緒に服用していただくことにしました。 あれほど辛かった生理痛が軽くなり、「ウソみた […]

VOL.38 肝斑(シミ)

シミは「肝斑」ともいわれ、「皮膚に左右対称形に発生する茶褐色ないし濃褐色の平面的斑紋で、痒みなどの自覚症状のないもの」を指します。 現代医学ではシミの原因として、 1.副腎皮質の機能低下 2.ストレス・肉体疲労 3.ホルモン分泌異常 4.胃腸や肝臓の障害 5.妊娠 6.日光照射 などをあげています。 一方、漢方では肝斑は、身体の内面から生じているものと考え、肝・脾・肺・腎との関わりが深いとしています。 ・胃腸や肺が弱いため皮膚の栄養が不十分な「脾肺気虚証」 ・ストレスにより気や血の流れが低下した […]

VOL.143 アトピー性皮膚炎~その19~

漢方治療において、「五臓六腑」という概念は大変重要です。「五臓」には、肝・心・脾・肺・腎があり、相生・相克といった関係を保ち、人体のバランスをとっています。アトピー性皮膚炎は、五臓すべてと関連しているのですが、漢方では、「脾は肌肉を主る。」といい、脾と皮膚の状態は特に重要な関係にあるとされています。脾の働きが低下すると、皮膚を滋養する「血」や「津液」、外からの刺激を防御する「気」などの生成が不足します。また、身体の水分代謝も悪くなり、ジクジクとした滲出液がみられることも  「28才のAさん。幼少 […]

VOL.181 不妊と卵巣年齢

漢方では、不妊のことを「不孕(ふよう)」といいます。不孕の漢方相談にみえる方の多くは、不妊クリニックでの治療も行っています。なかには、「卵巣年齢は○才だそうです。」と話される方もいらっしゃいます。卵巣年齢の指標になるのはAMH(抗ミュラーホルモン)といって、卵巣の中に残っている卵子の数の目安となる数値です。卵子の質の指標ではないので、妊娠率と一致するものではありません。 「35歳、結婚して5年の主婦の方。顕微授精を2回行ったが妊娠に至らず、卵巣年齢は45歳と言われた。」すっかり落ち込んで、「私に […]