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元気堂の漢方薬通信
  • 不妊

VOL.83 不妊 ~その3~

漢方理論において、妊娠とは、子宮等だけではなく、肝・心・脾・肺・腎の五臓や衝脈・任脈などの共同作業によるものであり、中でも最も重要な臓腑は腎です。腎には成長発育、生殖の源となる基本物質が蓄えられていて、これを腎精と呼んでいます。腎精が不足すると生殖機能の低下、不妊、流産しやすい、月経不調、閉経が早まる、ホルモン分泌の異常、老化の早期化などが起こりやすくなると考えられています。そのため、漢方の不妊治療において、腎精を充実させることは必須です。

「35歳の女性。結婚して6年になるが、子供ができない。月経周期40日。高温期の体温の上昇が悪い。月経痛が強く温めると楽になる。経前に胸が張って痛む。お腹や手足が冷える。ストレスも多く、疲れやすい。肩こり、腰痛もある。」とのお話でした。肝気鬱結証に陽虚証を兼ねていると考え、「人参当芍散」を服用していただくことにしました。母体の気血をしっかり調え、腎精を充実させるため、「瓊玉膏」も併用しました。2ヶ月の服用で月経痛は軽くなり、基礎体温も安定してきました。1年ほどでめでたく妊娠。現在は、元気な男の子のお母さんです。

漢方では不妊を月経や全身の症状から、「腎陽虚証」「腎陰虚証」「気血両虚証」「肝気鬱結証」「痰湿証」「血?証」などに分類し、それぞれに応じた三十ほどの処方を組み合わせていきます。また、基礎体温表なども西洋医学とは異なる漢方的な角度による見方があります。さらに、これといったトラブルが見当たらないのに妊娠しない場合には、月経周期を「月経期」「低温期」「排卵期」「高温期」に分割し、時期ごとに漢方薬を服み分ける「漢方周期療法」を用います。
女性の活躍が目覚ましい世の中のせいか、ストレスや過労で無理をなさっている方が多く、それが不妊だけでなく様々な疾患の原因になっているようです。体に優しい本物の漢方薬で快適に乗り切りましょう。

VOL.146 不妊~その12~

不妊の漢方相談の患者さんの中には、子宮筋腫などの合併症のある方も多くいらっしゃいます。 「33歳、結婚して6年目。子宮筋腫がある。不妊クリニックで人工授精を3回、顕微授精を4回行ったが、妊娠に至らない。月経周期は25~28日。普段は、心配性だが、月経前はイライラしやすく、胸が脹り、腹痛がある。月経前に微量出血がある。月経に血塊が混じる。やや便秘気味。時々立ちくらみがする。手足が冷えて、唇の色が紫がかっている。」とのこと。どうやら、頑張りすぎてしまう性格のようです。 血瘀証に肝血虚証、肝気鬱結証を […]

VOL.130 にきび ~その7~

ニキビは、皮膚科学では「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」、漢方では「粉刺(ふんし)」と称します。毛嚢と皮脂腺の慢性炎症による皮膚疾患の一つです。皮脂過多や毛孔の角化などにより皮脂の分泌がスムーズに行われないと炎症を起こし、顔面をはじめ胸部、背部、肩部などに多く発症します。ニキビは毛嚢に一致して生じ、発展過程において面皰、丘疹、膿皰、結節、瘢痕、痘痕などがみられます。そのため、臨床では往々にして数種の段階のニキビが同時に存在します。 「K君は17才の高校生。5年ほど前から、赤みが強く熱感のある […]

VOL.156 耳鳴~その3~

耳鳴とは、実際には音がしていないのにもかかわらず、何かが聞こえるように感じる現象をいいます。漢方では、耳は臓腑でいうと特に肝胆、脾胃、腎と関連が深いといわれ、耳鳴は、ストレスや過労、老化、食事などの不摂生、身体虚弱、発熱性疾患、上気道炎などが原因とされています。 43才の女性、「10日ほど前に、強いストレスを受け、その翌日から、キーンとした大きな耳鳴を発症。耳塞感を伴う。耳をおさえると少し小さくなる。起床時とお仕事後の夕方に悪化しやすい。夕方から夜にかけて、頭痛がすることも多い。肩こり、腰痛があ […]

VOL.178 更年期障害における頭痛

更年期障害は、西洋医学では、卵巣機能の低下によるホルモンの分泌不足、家庭環境や社会環境の変化による精神的ストレスなどを原因とする閉経前後にみられる身体的、精神的な諸症状とされています。漢方では、経断前後諸症などと称し、加齢に伴って腎精が減少し、その結果、精神活動の要である「心」、自律神経と関わりの深い「肝」、決断力や快適な睡眠を生み出す「胆」などに影響を及ぼすことによって起こる身体のバランスの失調と考えています。腎精の消耗は閉経だけでなく、過労や不摂生などでも起こりますので、年齢に関係なく更年期 […]