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元気堂の漢方薬通信
  • 養生

VOL.77 養生と五難

2008年最後の漢方薬通信ですので、いつもと少しちがう話題にしてみましょう。
漢方の重要な古典の一つに唐の時代に著された「千金方」があります。「人命は千金より貴い」ことからこの書名がつけられたといわれています。
その中に、中国の著名な養生学者・けい康の言葉が引用されています。
「養生する上で、五つの難点がある。名誉と利益への執着を捨てられないのが、第一の難点。感情のコントロールがうまくできないのが、第二の難点。歌舞音曲や色欲に溺れるのが、第三の難点。美食への執着を断てないのが、第四の難点。生命活動の根源である精神を散逸させて、集中できないことが、第五の難点。これらがある限り、どんなに祈ったり、たいそう立派なことを言ったり、身体によいといわれるものを食べていても、健康で長生きすることはできない。」と書かれており、さらに、私心雑念を捨て、虚栄を追わず、小さなことに心を煩わさないことを説いています。
千三百年以上昔でも、現代とあまり変わらないようですね。

私は俗人ですので、このような立派な生き方はできませんが、来年は、今年のような世界的不況や不安定な政治が改善され、何よりも人の命を軽んずる痛ましい事件が起こらないことを願っています。年末年始は、身体も心も無理をしがちです。養生に努めて、素晴らしい新年をお迎え下さい。
(2008年12月)

VOL.178 更年期障害における頭痛

更年期障害は、西洋医学では、卵巣機能の低下によるホルモンの分泌不足、家庭環境や社会環境の変化による精神的ストレスなどを原因とする閉経前後にみられる身体的、精神的な諸症状とされています。漢方では、経断前後諸症などと称し、加齢に伴って腎精が減少し、その結果、精神活動の要である「心」、自律神経と関わりの深い「肝」、決断力や快適な睡眠を生み出す「胆」などに影響を及ぼすことによって起こる身体のバランスの失調と考えています。腎精の消耗は閉経だけでなく、過労や不摂生などでも起こりますので、年齢に関係なく更年期 […]

VOL.44 にきび

Sさんは23才の女性。「十代の頃はあまりニキビに縁がなかったのに、最近とっても気になる。月経前や旅行、チョコレートなどの摂取で悪化する。月経も不順で手足が冷え、肩こり。最近は寝つきも悪い。」との事。なるほど、顎、頬、額に暗紅色の丘疹がみられます。ストレスなどが原因の「肝気鬱結」と判断し、逍遙散を服用して頂きました。3ヶ月ほどで月経も安定し、ニキビもきれいになりました。 Y君は25才のコンピュータ関係の仕事をしている男性。「過労や食事が偏ると悪化する。汗かきでお腹をこわしやすい。高校生の頃、ニキビ […]

VOL.29 冷え性

『冷え性』は身体および手足が温まらない事を特徴とし、漢方では、「畏寒」「四肢厥冷」「下肢冷」「腰腹冷」などに相当します。 一口に『冷え性』と言っても、その感覚は様々で、手足が冷えて寒がりの人、手足は冷えているのに寒がらない人、ストレスがかかると手足が冷える人、手足は冷えているのに冷たいものを欲しがる人、等々。 漢方においても、個々の症状の特徴から、冷えの原因を「腎陽虚」「脾陽虚」「寒邪」「湿邪」「熱邪内鬱」「衝任虚寒」「肝気鬱結」「痰飲内停」等に分類し、約四十種類の処方を使いわけていきます。 三 […]

VOL.35 夏かぜ

毎年、今頃の時季になると、次のような感冒の患者さんが多くみられます。 「悪寒や発熱は軽度だが、身体が重だるく、頭も重い。下痢や吐き気などがあり、食欲が減少している。」典型的な夏カゼですね。 夏の感冒は湿度が高く、(漢方では湿邪といいます。)冷房によって発汗も不調になりがちで、また、暑さ等により体力も低下した状態で生じています。また、冷たい物を摂りすぎている人もいるでしょう。 西洋医学のカゼ薬や冬季に使われる葛根湯、麻黄湯などは、夏季では発汗が過多となりその後冷えてしまい、反対に悪化させてしまうこ […]