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元気堂の漢方薬通信
  • アレルギー性鼻炎

VOL.53 花粉症 ~その4~

花粉症(アレルギー性鼻炎)は漢方では、「鼻キュウ」といい、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、涙目、目や喉の痒み等を共通の主症状としますが、まず、それ以外に付随する症状から、病態の分類を行います。

「花粉症」という病名にとらわれずに、きちんと漢方的に分類する事が、治療する上で最も重要となります。当薬局では、花粉症を大きく二十三のパターンに分類し、約五十種類の処方を使い分けています。

その中で比較的多くみられる方の一つに、普段から寒がりで、手足が冷えるタイプがあります。このタイプの方は、漢方では「陽虚」といわれ、外部の刺激(花粉など)から身体を防御したり、身体を温めたりする働きをする「衛気(えき)」という気の不足が原因です。

27才のA子さん、「多量の透明な鼻水が止まらず、くしゃみ、目の痒みを伴う。手足が冷え、寒がり。屋内と屋外で著明な変化はないが、寒さや冷たい飲食によって悪化する。」といった症状でした。小青龍湯や葛根湯などを始め、いくつかの漢方薬を服用したことがあるが、無効だったとのこと。

肺陽虚と判断し、甘草乾姜湯(かんぞうかんきょうとう)を服用していただきました。服用後すぐに症状が改善し不思議そうです。「身体も温まってきて、とても楽です。」と喜んでいただけました。陽虚タイプの花粉症の方は、普段からの冷えの改善も大切です。

漢方薬通信VOL.221 春の養生法

 春は、寒冷な気候から徐々に暖かくなり、「陰陽消長」により、陰が衰え、陽の勢いが増していく季節です。 万物が生長・発育・成長する時期といえます。 五行学説によると、春は「木」に属し、主気は「風」になります。五臓の中では「肝」の養生が大切な時期です。 漢方の聖典の一つである『黄帝内経素問』の四気調神大論には、 「春三月、此れを発陳と謂う。天地俱に生じ、万物以て栄えゆ。夜に臥し早く起き、広く庭を歩み、髪を被き形を緩うし、以て志をして生ぜしむ。生かして殺す勿れ、予えて奪う勿れ。此れ春気の応、養生の道な […]

漢方薬通信VOL.225 月経の状態が一定しない方

 不妊の漢方相談では、月経の状態を詳しくお聞きしますが、月経痛や月経の状態が、周期ごとにバラバラで一定しないという方もいらっしゃいます。 「38才のAさん、結婚して4年。月経周期は25~28日、月経期間は5日間で、そのうち多い日は3日間。経血の量はふつうだが、少ない月もある。血塊が混ざることがあるが毎月ではない。月経痛が気にならない月もあるが、痛みが激しい月もあり、痛む時は拍動痛で、冷えで悪化し、鎮痛剤が欠かせない。また、月経前の胸の張りが強かったり、月経の始まり方がスムーズでない月があったりす […]

VOL.153 不妊 ~その13~

漢方では、女性の不妊のことを「不孕(ふよう)」といい、男性の不妊のことは「不育(ふいく)」といいます。一方、西洋医学では、「不育症(ふいくしょう)」とは習慣性流産のことで、漢方では「滑胎(かったい)」といいます。 「33歳、結婚して9年。4才の男の子がいるが、なかなか妊娠しないうえ、3度の流産を経験している。月経周期は28日前後、量は多めで、塊が混じる。月経時の疲れが甚だしい。もともとは心配性だが、月経前は、イライラしやすく、胸が脹り、足がむくみ、立ちくらみがする。足腰が冷える。1度目の流産の時 […]

VOL.172 冷えが強いために起こる便秘

Aさんは、22才。知人の薬局さんからのご紹介。 「中学生の頃から少しずつ便秘になり始め、昨年秋から特にひどくなり、時には7日に1回くらいしか排便がない。今まで、麻子仁丸や桂枝加芍薬大黄湯などを服用したことがあるが、腹痛や下痢を発症する。四肢や腹部などが冷えやすく、便秘も冬季に悪化する。ストレスや生理前もひどくなりやすい。お腹が張ることが多い。風邪を引きやすい。」とのこと。陽気の不足と脾虚肝乗を兼ねた便秘と考え、建理湯を服用していただくことにしました。20日ほどして、来局された時には「毎日、便通が […]