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元気堂の漢方薬通信 Blog

VOL.104 アトピー性皮膚炎12

「36才のA子さん。幼少期は、乾燥肌程度だったが、一年ほど前から、顔(特に目の周囲、頰)や首を中心に、紅斑、鱗屑がみられ、乾燥し痒みが甚だしい。アトピー性皮膚炎と診断され、断続的にステロイド軟膏にて治療している。入浴後、疲労、睡眠不足、飲酒後などで悪化しやすく、起床時は比較的軽く、夕方にひどくなりやすい。便秘はなく普段からやや軟便気味。」との事でした。 患部症状や体質などから、「陰虚火旺」と「脾気虚」タイプと判断し、知柏地黄丸と参苓白朮散を服用していただくことにして、スキンケアの指導もさせていた […]

VOL.103 頭痛4

36才のAさん。 「2年ほど前から、側頭から後頭部にかけて隠痛或いは脹痛を生じ、目眩を伴う。ストレス、疲労などによって悪化しやすく、生理前後は特に発症しやすい。疲れやすく、不安、イライラ、耳鳴がある。緊張しやすく、目が疲れ、首や肩が強ばっている。」との事。 「肝気鬱結」と「気血両虚」を兼ねていると考え、逍遙散と十全大補湯を服用していただきました。 一ヶ月ほどで、次第に頭痛が起こらなくなりました。一日おきに服用していた鎮痛剤もほとんど不要になり、「漢方薬って効くんですね。」と喜んでいただけました。 […]

VOL.102 夜尿症

夜尿症は、漢方では「小児遺尿」ともよばれ、3歳以上の小児が睡眠中に1回から数回、 無意識に排尿し、目覚めた後で気づくことを言います。 一般的には「おねしょ」と言ったほうがわかりやすいですね。 Mちゃんは4才の女の子、「比較的寒いときや、幼稚園で嫌なことがあったりすると夜尿が続く。日中も頻尿になり、今行ったと思ったら、すぐに行きたくなる。心配性、怒りっぽい、暑がりで寒がり、頭に汗をかきやすい。夜泣きすることもある。普段から体温がやや低め。食欲や便通にムラがある。」といった症状でした。 心神失養と腎 […]

VOL.101 花粉症8

今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は地域差がありますが、昨年の2~10倍といわれており、平年より多いという予想です。 すでに症状が出始めた方もいらっしゃいます。 花粉症(アレルギー性鼻炎)は漢方では、「鼻鼽」といい、鼻水、鼻づまり、クシャミ、涙目、目や喉の痒み等を共通の主症状とします。 他の疾患同様、「花粉症」という病名にとらわれずに、きちんと漢方的に分類する事が、治療する上で最も重要となります。 「風寒」「中風」「風温」「風湿」「肝鬱」「湿痰」「実寒」「瘀血」「脾気虚」「脾陽虚」「肺陽虚」「腎陽虚 […]

VOL.100 不妊~その6~

漢方では、不妊を「不孕」「求子」「無子」「絶産」「絶子」 などと称し、婦人科分野において、古典にも多くの記載がみられます。 実際の治療においては不妊を月経や全身の症状から、「腎陽虚証」「腎陰虚証」「気血両虚証」「肝気鬱結証」「痰湿証」「血瘀証」などに分類し、それぞれに応じた三十ほどの処方を組み合わせていきます。 基礎体温表なども西洋医学とは異なる漢方的な見方があり、また、これといったトラブルが見当たらないのに妊娠しない場合には、月経周期を「月経期」「低温期」「排卵期」「高温期」に分割し、時期ごと […]

VOL.99 にきび~その5~

漢方の臨床では、弁証論治という方法を用いて処方を決定します。 中でも寒熱の判別は大変重要で、治療効果に大きく関わってきます。内科疾患は、もちろんですが、ニキビなどの皮膚疾患でも同様です。 Aさんは、45才の女性。「顎を中心に淡紅色~晦暗色の小丘疹がみられる。痒み、痛みなどは無し。ニキビ治療薬をはじめ、ステロイド軟膏なども使用したが効果無く、漢方薬も清上防風湯や荊芥連翹湯などを服用してみたが良くならない。ストレスのためイライラする。肩こり、寝つきが悪い。自分では身体の冷えを感じていないが、夜間に1 […]

VOL.98 アトピー性皮膚炎~その10~

今回も当薬局で最近ご相談が多い「アトピー性皮膚炎」です。 栃木県からわざわざ漢方相談にみえている5才の男の子。 「乳児期よりアトピー性皮膚炎。ステロイド軟膏や抗アレルギー剤にて治療を続けていた。首から下全体に、乾燥し苔癬化が激しい。痒みが強く、掻破痕、落屑などがみられる。夕刻から夜間に悪化し、入浴、疲労、睡眠不足、ストレスなどで悪化する。暑がりで汗かき。喉が渇きやすい。」との事。 患部症状や病歴から『陰陽両虚』と判断し、六味丸と小建中湯を服用してもらうことにしました。 長期にステロイド軟膏を多用 […]

VOL.97 アトピー性皮膚炎

「アトピー性皮膚炎」は、当薬局でも御相談が多い疾患の一つです。 漢方では、「浸淫瘡」「血風瘡」「四弯風」「旋耳瘡」「異位性皮膚炎」「遺伝過敏性皮炎」「変位性皮膚炎」等と称しますが、発生頻度は中国などより日本の方が高いようです。 「33歳の男性。幼少期よりアトピー性皮膚炎。皮膚暗褐色~濃紅色で乾燥、痒みが甚だしい。痒みのため夜中に目が覚めることがある。患部は肥厚や落屑、皹裂などがみられる。夕刻や入浴後、疲労、睡眠不足、発汗などで悪化する。夕刻になると頬や手足が火照り喉が乾いてくる。盗汗をかきやすい […]

VOL.96 生理痛~その4~

23歳の女性。 「月経の前半に、下腹が絞られるような激しい痛みを生じる。初日が特にひどい。寒さや冷えで痛みが悪化し、温めると軽減する。月経周期は31日前後で安定。月経前に乳房が脹って痛い。手足が冷えて寒がり。冬にはシモヤケができやすい。髪に潤いが無く、唇が荒れやすい。」とのお話。 『陽虚証』と『血虚証』を兼ねていると考え、「温経湯」と「安中散」を服用していただきました。 2ヶ月ほどで生理痛をほとんど感じなくなり、顔色も良く元気そうです。 生理痛は、漢方では、「経行腹痛」「痛経」等ともいい、比較的 […]