お問い合わせ・ご予約はこちら

0120-67-4193

お問い合わせフォーム

JR東船橋駅 南口前
定休日
日曜・月曜・祝日
元気堂の漢方薬通信
  • アトピー性皮膚炎

VOL.213 春に悪化するアトピー性皮膚炎

漢方では、疾病の発症や悪化を生じる外部からの刺激(外邪)を外感六淫(風・寒・暑・湿・燥・火)としています。また、体の中の不調により外邪に類似した症状を引き起こすものを内生五邪といいます。この中で、風のような症状(目眩、震え、痙攣、痒み)を内風といいます。其の一方で、六淫の風は、外風ともよばれます。内風による痒みを生じる皮膚疾患は、臨床上、多く見られます。外感六淫と内生五邪は、互いに影響し合い、内生五邪を生じている場合、それと類似の六淫を感受しやすい(同気相求)と考えられています。例えば、「普段から冷えのある人(内寒)は、寒さ(外寒)の影響を受けやすい。」などです。

アトピー性皮膚炎の女性Aさん「患部の赤みは強くないが、乾燥が顕著で白い薄片がポロポロ落ちる。痒みは強く、掻いても汁は少ない。髪なども乾燥しやすく、パサパサする。」などの血虚風燥の症状が主で、普段は、当帰飲子などで落ち着いていますが、春先の花粉が飛ぶ頃になると悪化してきます。

血虚風燥による内風があるため、春の主気である外風の影響を受けやすいと考え、当帰飲子と玉屏風散を併用していただくことにしました。「今年は、花粉が飛んでも痒くならず、とても楽です。」と喜んでいただけました。

アトピー性皮膚炎の治療には、いろいろな漢方理論を駆使して、臨機応変で、細やかな対応が必要となります。「アトピーには、○○湯!」などという単純なものではありません。他の疾患も同様ですが、一人一人の患部症状、全身症状、体質、悪化条件、随伴症状などにより、その方にあった治療方針に基づいた「証」を決定することが重要になります。

VOL.41 花粉症 ~その2~

花粉症の漢方薬といえば、日本では小青龍湯(しょうせいりゅうとう)が有名で、服用したことがある方も多いと思います。しかし、本来漢方治療は個々の症状・体質によって異なり、様々な処方を用います。小青龍湯が奏効するパターンは一割にも満たないのではないかと思います。 花粉症(アレルギー性鼻炎)は漢方では、「鼻キュウ」といい、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、涙目、目や喉の痒み等を共通の主症状としますが、まず、それ以外に付随する症状から、病態の分類を行います。きちんと漢方的に分類する事が、治療する上で最も重要となり […]

VOL.85 不妊 ~その4~

漢方では、「妊娠適齢な女性が避妊を行わずに、結婚後3年以上妊娠しないこと」または、「過去に妊娠歴があって避妊せずに3年以上妊娠しないこと」を不妊(漢方では不孕(ふよう)といいます。)としています。 実際のご相談の中では、このようなケースが多いのはもちろんですが、それ以外に「流産しやすい」といった方のご相談も多くみられます。 「流産」は漢方では、「堕胎」「小産」「滑胎」などと称し、西洋医学では、妊娠22週未満までに妊娠が継続できなくなることとされています。 その中で、胎児が子宮内で死亡してしまう流 […]

VOL.114 不妊8

『中医症状鑑別診断学』によると、「妊娠適齢な女性が避妊を行わずに、結婚後2年以上妊娠しないこと」または、「過去に妊娠歴があって避妊せずに2年以上妊娠しないこと」を不妊としています。 「32歳、結婚して5年の主婦の方、結婚2年目に男の子を出産したが、二人目のお子さんができない。月経周期は28~35日、ストレスがあると遅れやすい。月経1、2日目に絞られるような月経痛があり、鎮痛剤を服用する。手足が冷え、基礎体温は、高温期が低め。月経前になるとイライラしやすく、乳房が張って痛い。」とのこと。腎陽虚証に […]

VOL.177 長引く咳 ~その2~

漢方では咳嗽は肺の宣発・粛降機能が失調し、肺気が上逆することによって発症すると考えています。急性のものは、気温などの環境の急激な変化や煙やホコリなどの身体への侵入を中心に考察し、一方、慢性のものは、五臓六腑などの不調が肺に影響を及ぼしていると考えます。 43歳のA子さん、「1ヶ月くらい咳と痰が止まらない。痰の量は多くない。感冒に罹りやすく、そのたびに、同じような症状が長引く。明け方や運動後、冷たい飲食物の摂取などで悪化しやすい。寒がりで手足が冷えやすい。温かい飲み物を好む。」といった症状でした。 […]