元気堂の漢方薬通信
VOL.88 関節リウマチ ~その2~
漢方では筋・筋肉・骨関節などの部位の疼痛、腫脹、しびれなどを主症状とする病証を痹証(ひしょう)といい、現代医学の関節リウマチ、神経痛、変形性膝関節症、痛風などに当たります。
37才女性、「元来、リウマチ反応も陽性で、関節リウマチの徴候が軽度にあったが、それが出産後、悪化した。
両手の指、両肘、両膝の重だるい痛みがあり、痛みは手を動かすなど活動すると増強する。また、ストレスや冷えなどでも悪化しやすく、入浴や休息で緩解する。
但し起床時はこわばりが強く、手をにぎることが困難である。全身に倦怠感があり、疲れやすい。寒がりで手足が冷える。肩こり、目眩がある。」との事でした。
「気血両虚」に「陽虚」「肝鬱気滞」を伴うと判断し、十全大補湯と柴胡疎肝散を服用していただくことにしました。一週間足らずでこわばりは無くなり、倦怠感も減少。痛みも徐々に楽になり、9ヶ月ほどで漢方薬も不要になり、喜んでいただけました。痹証は、痛む部位、痛みの状態、患部の色、変形などの有無、悪化条件、好転条件などから、環境の変化によって悪化する「風痹」「寒痹」「湿痹」「熱痹」、血や水液の流れが悪いために生じる「瘀血痹阻」「痰湿阻絡」「痰瘀阻絡」、ストレスが原因となる「肝気鬱結」、気力、体力の消耗による「気血両虚」「陽虚」「陰虚」、その他多くのパターンに分類することができます。
複数のパターンが、複雑に混在している事が多く、きちんと判別し、その方に合った治療法及び漢方薬を決定することが治療のカギとなります。