お問い合わせ・ご予約はこちら

0120-67-4193

お問い合わせフォーム

JR東船橋駅 南口前
定休日
日曜・月曜・祝日
病名別漢方治療
  • ニキビ

ニキビ

ニキビは、皮膚科学では「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」、漢方では「粉刺(ふんし)」と称します。毛嚢と皮脂腺の慢性炎症による皮膚疾患の一つです。

皮脂過多や毛孔の角化などにより皮脂の分泌がスムーズに行われないと炎症を起こし、顔面をはじめ胸部、背部、肩部などに多く発症します。
ニキビは毛嚢に一致して生じ、発展過程において面皰、丘疹、膿皰、結節、瘢痕、痘痕などがみられます。そのため、臨床では往々にして数種の段階のニキビが同時に存在します。

ニキビの皮膚科学上の分類

面皰(めんぽう)毛穴に皮脂が詰まって粟粒大で円錐型の硬い皮疹。
粉刺の初期段階でみられます。
表面が開き黒く見えるものを黒色面皰(黒ニキビ)或いは開放性粉刺、表面が塞がっていて白く見えるものを白色面皰(白ニキビ)或いは封閉性粉刺と称し区別しています。
丘疹面皰の中にさらに皮脂がたまることにより、脂腺がこわれて面皰に炎症が起こり、赤く腫れて皮膚から盛り上がったもの。
膿皰丘疹に細菌感染が加わり、毛孔に膿がたまったもの。
結節毛孔周辺に炎症が広がり、堅くしこり、盛り上がったもの。
瘢痕膿が排出し、色素沈着で、シミのように黒くなったもの。
痘痕瘢痕が消えずに、皮膚が凸凹になったもの。
皮膚科学におけるニキビの発生機序

漢方におけるニキビの発生原因

  1. 外的な刺激→風邪・寒邪・湿邪・熱邪など。
  2. 飲食の不摂生…暴飲暴食、食べ過ぎ。油っこい物、甘い物、味の濃い物、辛い物、なまもの、冷たい物などの摂りすぎ、飲酒過多など。
  3. イライラ、不安などのストレスによる精神刺激。
  4. 肉体疲労・精神疲労・房事過多などによる正気(気・血・津液・精)の虚損。
  5. 上記に伴う二次的な病理的産物(痰飲・瘀血など)。

漢方的にみたニキビの発生の仕組み

漢方では「脾主肌肉(脾は肌肉を主る)」といい、臓腑の中では脾胃(消化機能)を中心に考えます。そこに皮脂の分泌を調節する肝の疏泄(自律神経)、腎の虚火(ホルモンの失調)などを考慮します。皮膚疾患といえども、長期にわたるものは、正気の虚(気・血・津液・精)を考慮することが重要です。

1.思春期のニキビ

思春期には身体の成長のため、正気(気・血・津液・精)の生成を活発に行う必要があります。その為、脾胃(消化機能)がオーバーワークになり、胃熱や脾胃湿熱を発生しやすくなります。また、女子は月経開始により血熱も起こりやすいです。胃熱や脾胃湿熱などによるニキビは、大きくて赤く熱感を伴うことが多いです。

2.成人のニキビ

(1)飲食の不摂生

飲食の不摂生により、脾胃に寒・熱・湿などが停滞したり、脾の(陽)気を損傷したりすることで、ニキビが発生します。脾胃湿熱から肝胆湿熱を伴うこともあります。

(2)ストレスによる精神刺激

ストレスにより、肝の疏泄(ここでは自律神経と考えると良いでしょう。)が失調し、肝脾不和(自律神経の失調が消化能力に影響する)から脾の運化失調を生じたり、肝鬱化火(ここでは自律神経の過亢進による興奮)が横逆し、胃熱や脾胃湿熱を発生します。「脾主肌肉(脾は肌肉を主る)」ことから、ニキビを引き起こします。このタイプのニキビは、イライラすると悪くなったり、女性では、月経前に悪化したりします。月経不順の方も多いです。

(3)過労など

肉体疲労・精神疲労・房事過多などにより正気(気・血・津液・精)を損傷し、気血両虚や腎虚などを生じ、結果としてニキビなどの皮膚疾患を起こします。
赤味の強い、勢いのあるニキビはあまり見られず、過労や睡眠不足で、悪化します。

(4)瘀血(おけつ)の形成

ニキビが長期化すると、気滞・寒凝・血熱・痰飲・気虚・気血両虚などの他の病因から血の流れが悪くなり、漢方でいう「瘀血」が形成されることがあります。暗褐色や青紫色などのニキビが見られ、部位があまり移動せず、月経前に悪化しやすいです。

ニキビの漢方治療のポイント

  1. 基本的に主訴である患部症状(部位、色、形状、悪化条件、好転条件など) を主として治療方針を組み立てます。
  2. 専用の洗顔料で、よく洗顔して、肌を清潔に保ちましょう。外用剤よりもむしろ洗顔が大切なことが多いです。
  3. 摩擦は、炎症、痒みを増長するので、泡で包むように洗いましょう。
  4. 指で潰したりすると、瘢痕、痘痕などのニキビ跡になりやすいので注意!
  5. イライラなどの精神的ストレスや便秘は、重要増悪因子です。漢方薬などで解消しましょう。
  6. 栄養バランスのとれた食事が大切です。最近では間違った食事療法により悪化しているケースも多く見られます。
  7. 月経周期に影響されやすい場合は、それに合わせて漢方薬を服み分けると良いこともあります。(詳しくは、お気軽にご相談下さい。)

ニキビは青春のシンボルというのも遠い昔の話のようで、当薬局では、十代の方だけでなく、むしろ二十代、三十代、四十代の成人ニキビのご相談の方が多くみられます。前述のように漢方においてニキビの発生原因は様々であり、その原因に対応する治療方法を選択しなければなりません。そのため、外用薬やスキンケアだけでは根治に至ることは難しいです。貴方の症状、体質にあった漢方薬できれいな肌を取り戻しましょう。

関節痛・ リウマチ

骨や関節、筋肉などが侵される病気を総称して「リウマチ性疾患」といいます。このうち、関節の炎症が続き、やがては機能障害を起こしてしまう病気が「関節リウマチ」です。 症状は? 「関節リウマチ」の大きな特徴は「関節の腫れ」です。「関節リウマチ」はじっとしていても痛い程の腫れが特徴で、その痛みは「かみつかれたような痛さ」といわれるほどです。手首や手足の指の関節にあらわれることが多く、左右両側の関節に生じます。「関節リウマチ」とよく似た病気に「変型性関節症」がありますが、「変型性関節症」は、老化や外傷をき […]

子宮筋腫

子宮筋腫の分類 子宮は外側から漿膜、子宮筋層、子宮内膜という3層構造になっており、筋腫が発生する部位により、漿膜下筋腫、筋層内筋腫、粘膜下筋腫に分類されます。 1.漿膜下筋腫 筋腫が子宮漿膜の下に発生し、子宮筋腫全体の約20%を占めます。一部は子宮本体と離れて、細い茎でつながる有茎漿膜下筋腫もみられます。無症状のことが多いですが、筋腫が発育すると、周辺臓器を圧迫します。また、有茎のものは、茎捻転を起こすと急性腹痛を発症します。卵巣腫瘍との鑑別も重要となります。 2.筋層内筋腫(壁内筋腫) 筋腫が […]

五十肩

西洋医学的概念 1.五十肩(肩関節周囲炎)とは  50才代を中心とした中年以降に、明らかな原因が無く肩の疼痛と可動域制限が生じる疾患で、肩関節周囲組織の加齢性変化により発症するとされています。癒着性関節包炎、凍結肩ともよばれます。 2.肩関節周囲炎の病態  肩関節は、人体の中で最も可動域が広い関節であり、そのため、負担も大きくなります。肩関節を構成している骨、軟骨、靱帯、腱などが老化し、硬くなった関節を酷使すると、周囲の組織に炎症や損傷が発症します。肩の疼痛(肩前方を主とする)により、可動域制限 […]

逆流性食道炎

西洋医学的概念 1. 逆流性食道炎とは  主に酸性の胃の内容物が食道や口腔内へ逆流することにより、胸やけや呑酸(酸っぱい液体が上がってくる感じ)などの症状がみられる病態を胃食道逆流症(Gastro Esophageal Reflux Disease; GERD)といいます。 胃食道逆流症(GERD)は、①糜爛や潰瘍などの食道粘膜のただれがなく自覚症状のみがあるタイプ、②食道粘膜のただれがあり、なおかつ自覚症状があるタイプ、③自覚症状はなく、食道粘膜のただれがあるタイプの3種類に分けられます。その […]