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蕁麻疹

【西洋医学的概念】 1.蕁麻疹とは 皮膚の限局性浮腫で短時間(数分~24時間以内)持続し、跡形もなく消失するものを蕁麻疹といいます。多くは紅斑と瘙痒を伴います。 2.蕁麻疹の症状 突然、境界明瞭な円形、楕円形、地図状のわずかに隆起した膨疹、発赤を生じ、瘙痒を伴います。全身どこにでも発症しますが、摩擦や圧迫されやすい部位に多く見られます。皮膚だけでなく粘膜にも生じることがあり、咽頭部に生じた場合は嗄声や呼吸困難などを引き起こします。 3.蕁麻疹の病態 アレルギー性或いは何らかの誘因による非アレルギ […]

悪阻(つわり)

西洋医学的概念 1.悪阻(つわり)とは  悪阻(つわり)とは、妊娠したことにより発症する悪心・嘔吐などの消化器系の症状を主とする症候です。妊娠5~6週頃から起こり、多くは一過性で妊娠12~16週頃までに消失します。50~80%の妊婦にみられ、初産婦に多くみられます。また、一度消失しても後期に再発することもあり、これを後期悪阻といいます。まれに、悪阻(つわり)が重症化し、食物の摂取が損なわれることで、脱水や飢餓状態になり、栄養障害・体重減少などの症状から入院等の治療が必要になることがあり、妊娠悪阻 […]

五十肩

西洋医学的概念 1.五十肩(肩関節周囲炎)とは  50才代を中心とした中年以降に、明らかな原因が無く肩の疼痛と可動域制限が生じる疾患で、肩関節周囲組織の加齢性変化により発症するとされています。癒着性関節包炎、凍結肩ともよばれます。 2.肩関節周囲炎の病態  肩関節は、人体の中で最も可動域が広い関節であり、そのため、負担も大きくなります。肩関節を構成している骨、軟骨、靱帯、腱などが老化し、硬くなった関節を酷使すると、周囲の組織に炎症や損傷が発症します。肩の疼痛(肩前方を主とする)により、可動域制限 […]

逆流性食道炎

西洋医学的概念 1. 逆流性食道炎とは  主に酸性の胃の内容物が食道や口腔内へ逆流することにより、胸やけや呑酸(酸っぱい液体が上がってくる感じ)などの症状がみられる病態を胃食道逆流症(Gastro Esophageal Reflux Disease; GERD)といいます。 胃食道逆流症(GERD)は、①糜爛や潰瘍などの食道粘膜のただれがなく自覚症状のみがあるタイプ、②食道粘膜のただれがあり、なおかつ自覚症状があるタイプ、③自覚症状はなく、食道粘膜のただれがあるタイプの3種類に分けられます。その […]

膀胱炎

膀胱炎とは、「膀胱」が炎症を起こす病気です。その原因は、大腸や直腸などに潜んでいる腸内細菌などが尿道から感染することによるものが多いですが、その他にも、薬剤の影響、放射線治療の副作用など、多岐にわたります。また、過労などにより免疫力が落ちると、膀胱の中の細菌の量が増え、膀胱炎になりやすくなります。 女性は男性よりも尿道の出口から膀胱までの距離が短く、細菌が膀胱にたどり着きやすいため、膀胱炎を起こしやすくなります。また、閉経後の女性は腟にいる常在菌が減っているため、膀胱炎を繰り返しやすい傾向にあり […]

腰痛

腰痛は、腰部の疼痛を主症状とする一連の病証を指します。腰部の片側或いは両側に疼痛を生じ、或いは痛みが背脊腿胯に及んだり、腰部の屈伸転側不利などの症状がみられます。腰は、「腎之府」といわれ、腰痛は五臓六腑の中で腎と関係が深いです。 腰痛の漢方的な発生原因 腰痛の漢方的な発生の仕組み 腰は腎の府であり、足少陰腎経が「脊を貫き腎に属している。」ので、腰痛は腎と密接な関係があります。また、腎と膀胱は表裏をなし、足太陽膀胱経は腰を通過しています。さらに、任脉・督脉・衝脈・帯脈もその間に分布しています。その […]

アレルギー性 鼻炎

鼻に侵入してきた特定の物質(抗原)を自分以外の物質(異物)と判断すると、それを無害化しようとする反応(抗原抗体反応)がおこります。その結果、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が出てくる病気をアレルギー性鼻炎といいます。その中で、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、アレルギー症状を起こす病気を花粉症といいます。季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。 アレルギー性鼻炎は、漢方では「鼻鼽(びきゅう)」といい、先天不足(体質の虚弱)、臓腑虚損、感受外邪などにより、鼻流清涕(透明な鼻水)、噴嚏 […]

子宮筋腫

子宮筋腫の分類 子宮は外側から漿膜、子宮筋層、子宮内膜という3層構造になっており、筋腫が発生する部位により、漿膜下筋腫、筋層内筋腫、粘膜下筋腫に分類されます。 1.漿膜下筋腫 筋腫が子宮漿膜の下に発生し、子宮筋腫全体の約20%を占めます。一部は子宮本体と離れて、細い茎でつながる有茎漿膜下筋腫もみられます。無症状のことが多いですが、筋腫が発育すると、周辺臓器を圧迫します。また、有茎のものは、茎捻転を起こすと急性腹痛を発症します。卵巣腫瘍との鑑別も重要となります。 2.筋層内筋腫(壁内筋腫) 筋腫が […]

子宮内膜症

子宮の内側を覆っている膜のことを子宮内膜組織といい、月経周期により増殖と剥離を繰り返しています。 子宮内膜症とは、何らかの原因で、本来あるべき子宮腔以外の場所(ダグラス窩、卵巣、腹膜に好発)に子宮内膜組織に似た組織(子宮内膜様組織)が発生する疾患です。子宮内膜様組織も通常の月経のように、剥離、出血を繰り返すため、炎症や癒着を引きおこします。主症状としては、疼痛(激しい月経痛、慢性骨盤痛、性交痛、排便痛)と不妊がみられます。 好発部位では、卵巣でのチョコレート嚢胞、卵管の癒着、子宮筋層内での子宮腺 […]

多嚢胞性卵巣 症候群

不妊の漢方相談にいらした方の中には、多嚢胞性卵巣症候群といわれている方がいらっしゃいます。月経不順や無月経などで婦人科を受診して、多囊胞性卵巣症候群と診断されたという方もいらっしゃいます。多嚢胞性卵巣症候群はPoly Cystic Ovary SyndromeからPCOSとも呼ばれます。PCOSは不妊原因の20%を占めるという報告もあるそうです。 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは 妊娠は、排卵、受精、着床など、多くのステップを経て、はじめて成立します。どれか1つでも、不具合があると、妊娠は成立 […]