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元気堂の漢方薬通信

VOL.205 ストレスと漢方

新型コロナウィルス感染症の予防や対策のため、生活パターンや環境が急速に変化し、不安や憂鬱な気持ちで過ごされている方が少なくないと思います。
漢方では、怒(怒り)・喜(喜び)・憂(憂い)・思(思い)・悲(悲しみ)・恐(恐れ)・驚(驚き)という感情の変化を七情といいます。

七情は、もともと外界事物に対する自然な感情表現であり、通常は発病因子にはなりません。しかし、強烈な精神的ストレスを受けたり、長期的に精神的刺激を受け続けると、生理的に調節できる許容範囲を超えてしまい、臓腑の機能や気血の循環などが不調となり体調不良を起こします。

七情の影響で発病することを「内傷七情」といい、次の1~5のような病症がみられます。

1.怒(怒り)
漢方では、「怒は肝を傷る。怒れば則ち気上る。」といいます。イライラや怒りは、肝を損傷します。そのため肝の疏泄(西洋医学でいう自律神経のような機能です。)が失調し、肝気が上逆して「気上る」となります。症状としては、イライラして怒りっぽい、頭痛やめまい、顔面紅潮、目の充血、血圧の上昇などがみられます。肝気上逆が激しく、気の行血の機能が失調すると血随気逆となり、鼻血や喀血などの出血がみられることもあります。また、肝の疏泄失調が胃腸などの消化器の機能に影響し、胃の張った痛み、ゲップや膨満感、便秘や下痢、ガスが多いなどの症状(肝気犯脾、肝気犯胃といいます。)をひきおこすこともあります。

2.驚(驚き)、喜(喜び)
漢方では、「驚、喜は心を傷る。喜べば則ち気緩む。驚けば則ち気乱る。」といいます。まず、喜びですが、適度な喜びは精神の緊張を緩和し、気血を調和するため、健康に大変有益です。しかし、あまりに度を超えた喜びは、集中力を低下させたり、精神のバランスを崩したりすることもあります。また、過度の驚きは、心神(精神、意識)を乱し、不安感、動悸、不眠などを生じます。

3.思(思い)
漢方では、「思は脾を傷る。思えば則ち気結ぶ。」といいます。考えすぎや不安、心配、取り越し苦労などの思慮過度になると、脾失健運(消化器の機能低下)を生じます。「脾失健運」では、食欲不振や軟便、下痢、疲労倦怠感などがみられます。さらに、消化器の機能が低下しているため、人体に必要な気・血・津液・精などの生成が低下し、人体各部を滋養できなくなり、心・肝・腎などの臓腑をはじめ、様々な部分に不調を引き起こすこともあります。また、思慮過度は、心血を消耗するため、心神(精神、意識)が十分に栄養されず、顔色が悪い、不安感、動悸、不眠、健忘などがみられることがあります。

4.憂(憂い)・悲(悲しみ)
漢方では、「悲、憂は肺を傷る。悲しめば則ち気消す。憂えば則ち気鬱す。」といいます。過度の悲しみは肺の気を消耗し、憂鬱な気持ちは肺の気を鬱滞させます。そのため、咳嗽や息切れなどの呼吸機能の異常や、胸苦しいなどの胸部の感覚の異常、浮腫などの水液代謝の異常、気力や意欲の低下などが見られることがあります。

5.恐(恐れ)
漢方では、「恐は腎を傷る。恐るれば則ち気下る。」といいます。恐いことが度重なると、「腎」の機能が低下し、白髪や抜け毛が多くなったり、足腰が弱くなったり、尿失禁や性機能の減退などがみられます。

「内傷七情」は、東洋医学の人の心と体を一つのものと考える「心身一如」に基づき、感情と臓腑の不調を関連づけており、実際の治療では、さらに詳細に細分化され、それぞれの病症にあった漢方薬や養生法が控えています。

もちろん、他の疾患同様、個々の症状や体質をきちんと把握し、漢方的に判断して「証」を決定し、処方を選択することが重要になります。

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