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元気堂の漢方薬通信
  • アレルギー性鼻炎

VOL.113 花粉症9

花粉症と聞いただけで、鼻がムズムズしてくるイヤな季節がやってきました。
今年は、花粉の量が少ないといわれていますが、すでに症状が出ている方が多いようです。

西洋医学の薬を服用すると眠くなったり、喉が渇いて不都合な方、アレルギー体質を改善したい方は、漢方治療にトライしてみましょう。

受験生のAさん。
「今年は、数日前から透明な鼻水が出だし、鼻塞もある。屋外に出ると悪化し、マスクをしていると落ち着く。比較的汗をかきやすい。眠くならないように、漢方薬で何とかしたい。」とお話しいただきました。

中風鼻鼽と判断して、桂枝湯と玉屏風散を服用していただくことにしました。
10日後、ご家族がご来局し、調子が良いとのこと。同じ処方をお持ちになりました。

花粉症(アレルギー性鼻炎)は漢方では、「鼻鼽」といい、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、涙目、目や喉の痒み等を共通の主症状としますが、まず、それ以外に付随する症状から、病態の分類を行います。
外部からの刺激が主な原因である「風寒」「中風」「風温」「風湿」、ストレスが関与する「肝気鬱結」「肝鬱化火」、身体の水分や血液の流れが悪いことによる「湿痰」「血瘀」、過労や抵抗力の低下による「脾気虚」「脾陽虚」「肺気虚」「肺陽虚」「腎陽虚」「気血両虚」等々‥‥。

当薬局では、大きく二十三のパターンに分類し、さらに詳細に弁証した上、約五十種類の処方を使い分けています。漢方薬は個々の症状、体質に合わせて服用しないと効果がありません。
「花粉症には、○○湯。」と決めつけず、他の疾患と同様、きちんと漢方的に分類することが、治療する上で最も重要となります。

VOL.119 更年期障害4

腎臓は、血液からの老廃物や余分な水分を濾過し尿として排泄する器官ですが、漢方でいう「腎」とは、そのような働きに加えて、ホルモンの要であると考えられています。 更年期障害は、漢方では経断前後諸症などと称し、閉経前後に腎精(ホルモンと考えるとわかりやすいです。)が急速に減少することにより、身体のバランスがくずれて発症します。 そして、腎精の不足が、精神活動の要である「心」、自律神経と関わりの深い「肝」、決断力や快適な睡眠を生み出す「胆」などにも影響を及ぼすと考えられています。 腎精の消耗は閉経だけで […]

VOL.203 アトピー性皮膚炎と「証」の併存

東洋医学では、病の症状や過程の分析から、その病状に至った原因やシステムを漢方的に解析することにより、いわゆる「証」を決定し、それを治療の根拠として漢方薬を決定します。 「証」とは、その時点における病気の原因、位置、性質、勢い、人体の抵抗力との力関係を包括しているといえます。このことは、アトピー性皮膚炎に限らず、あらゆる疾患の漢方治療において大変重要です。また、病を構成している「証」は、一つとは限らず、複数のものが混在するケースも少なくありません。 「20才のA君。患部は、ほぼ全身だが、特に腕、足 […]

VOL.52 手足の冷え

二十八才の色白の女性Nさん、「特に寒がりというわけではないのだが、手足が冷える。頭が重く、身体も重だるい。疲れやすい。温かいものを好み、冷たいものを食べたりするとすぐ下痢をする。冷えのため頻尿になる。足が少し浮腫む。」といった症状でお見えになりました。 「寒湿証」と判断し、甘姜苓朮湯(かんきょうりょうじゅつとう)を服用して頂くことにしました。身体が温まり、重だるさがとれて軽くなってきました。下痢の回数も減り、顔色も良くなり、行動まで前向きになったようです。 漢方では、一般的に、腕関節・足関節まで […]

VOL.167 月経時の頭痛

東洋医学では、月経周期に伴って現れる諸症状を「月経前後諸症」と呼んでいます。中でも、頭痛が主の場合を「経行頭痛」といいます。 「38才のAさん。普段から肩、首、背中が凝り、月経前になると、それが強くなり、頭痛が起こる。月経周期は30日。月経前半に月経痛あり。ストレスがありイライラすることが多い。以前から貧血気味で疲れやすくフラフラすることもある。月経前に足が浮腫む。やや便秘傾向。」とのこと。精血不足がベースにあり、そこにストレスが加わって、肝鬱血虚を引き起こしていると考え、瓊玉膏と逍遙散を服用し […]