お問い合わせ・ご予約はこちら

0120-67-4193

お問い合わせフォーム

JR東船橋駅 南口前
定休日
日曜・月曜・祝日
病名別漢方治療
  • 子宮内膜症

子宮内膜症

子宮の内側を覆っている膜のことを子宮内膜組織といい、月経周期により増殖と剥離を繰り返しています。

子宮内膜症とは、何らかの原因で、本来あるべき子宮腔以外の場所(ダグラス窩、卵巣、腹膜に好発)に子宮内膜組織に似た組織(子宮内膜様組織)が発生する疾患です。子宮内膜様組織も通常の月経のように、剥離、出血を繰り返すため、炎症や癒着を引きおこします。主症状としては、疼痛(激しい月経痛、慢性骨盤痛、性交痛、排便痛)と不妊がみられます。

好発部位では、卵巣でのチョコレート嚢胞、卵管の癒着、子宮筋層内での子宮腺筋症などが生じることもあります。また、直腸、膀胱、尿道などにもみられることがあります。

子宮内膜様組織は、エストロゲン(卵胞ホルモン)により増殖するため、子宮内膜症は、エストロゲン依存性疾患です。そのため、エストロゲン分泌量が多い性成熟期(20~40才)に多くみられ、妊娠により軽快し、閉経後には縮小や改善がみられます。

子宮内膜症は、月経自体が発症のリスクとされています。近年では、妊娠出産回数が少なく月経回数の多い女性が増えたため、子宮内膜症の罹患率が上昇したともいわれています。

1.卵巣チョコレート嚢胞

卵巣に発生した子宮内膜症により、月経ごとにその内部で出血をし、剥離組織が排出されないため、溜まって粘性のあるチョコレート状に変化して嚢胞となります。

月経痛などの疼痛は重度化し、嚢胞が破裂すると激痛を生じます。病巣部が卵巣にあるため、血流の不調や炎症などで卵子の発育も阻害されます。また、卵巣表面が硬化すると、排卵されても卵子が外に出られず、不妊となります。悪性腫瘍を伴うこともあります。

2.子宮腺筋症

子宮腺筋症は、子宮の内側(内腔)ではなく、子宮筋層内に子宮内膜様組織が浸潤したものです。子宮内膜症も子宮内膜が違う場所にできる疾患ですが、子宮筋以外の場所にできるものを指します。子宮腺筋症は30代後半から50代にかけて病変が大きくなりやすいです。子宮内膜症のような強い月経痛や、子宮筋腫のような月経過多、貧血などもみられることがあります。子宮内膜症同様、エストロゲン依存性疾患です。

子宮内膜症

子宮内膜症の漢方的な発生原因

  • 身体の冷え(寒湿の邪)
  • ストレス(精神抑鬱)
  • 素体の虚弱 
  • 食事の不節制  
  • 痰飲・瘀血などの病理産物

子宮内膜症の漢方的な発生の仕組み

  1. 精神刺激、情志抑鬱により、肝気鬱結を生じ、疏泄失調のため、本来あるべき場所以外に子宮内膜様組織が発生します。肝気鬱結の長期化などにより、肝鬱化火を生じることもあります。
  2. 寒湿の邪の感受、生冷物の過食、素体陽虚などにより、陰寒内盛すると、衝任、胞宮などの気血津液の運行が失調し、本来あるべき場所以外に子宮内膜様組織が発生します。
  3. 飲食不節や湿熱の邪の感受により、湿熱が内蘊し、胞宮などに下注すると、気血津液の運行が失調し、本来あるべき場所以外に子宮内膜様組織が発生します。
    肝気鬱結から肝気犯脾・脾虚生湿と肝鬱化火を生じることから湿熱を形成することもあります。
  4. 脾失健運、飲食不節、形体肥胖などにより痰湿を生じ、化熱して、熱痰証となり、胞宮などに下注すると、気血津液の運行が失調し、本来あるべき場所以外に子宮内膜様組織が発生します。また、痰湿が瘀血と結びつき痰瘀互結となることも多くみられます。
  5. 腎気不足により、衝任の固摂失調、胞宮失養から、血海の満溢に異常を生じ、本来あるべき場所以外に子宮内膜様組織が発生します。
    また、腎陽不足により、衝任、胞宮を温煦できなくなると、陰寒内盛し、2.と同様に子宮内膜症となります。
  6. 気滞、寒凝、湿熱、痰湿から血の運行が失調し、血瘀を生じている場合が多くみられます。
  7. 1~6の病機により、気血津液の運行失調から「不通則痛」となり、疼痛を生じます。

漢方では、以上のような仕組みで、子宮内膜症が発生すると考えています。
漢方治療では、同じ子宮内膜症でも、「その方の病状が、どのような仕組みで発生したか?」を判断していくことが、とても大切です。子宮内膜症は、いくつかのパターンが混在していることも少なくありません。

漢方治療の効果を上げるには、痛みなどの症状、悪化条件、随伴症状、現在までの経過、その方の体質などから、上記の漢方的な発生の原因や仕組みを見つけ出し、それに応じた治療法や漢方薬を決定することが重要です。

子宮内膜症は、月経痛をはじめとする激しい痛みがあることが多く、また、不妊を伴うことも少なくない疾患です。近年の女性のライフスタイルの多様化により増加傾向にあります。なかなか手強い疾患ですが、漢方薬が奏効することも多いです。

辛い症状を漢方で治したい方、不妊治療を考えている方、冷えが強い方、漢方薬を服用してみたけれど効果がみられない方、ストレスが多い方等々・・・。

どうぞ、お気軽にご相談下さい。

喘息

喘息とは簡単にまとめると次のようなものを言います。 気管支の息の通りが悪くなり、呼吸が苦しくなって呼吸するたびにヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴をともなう。 この症状が突然に、または突然に近い状態であらわれる。 この症状はしばらくすると自然に、または薬によって消える。 以上のような発作を年に数回、人によっては頻回にくり返す。 ☆漢方では、喘息を「哮喘」といいます。厳密には、「哮証」と「喘証」は別のもので、呼吸が促迫し、喉間に哮鳴があるものを「哮証」、主に呼吸困難のことを「喘証」としていますが、臨 […]

アレルギー性 鼻炎

鼻に侵入してきた特定の物質(抗原)を自分以外の物質(異物)と判断すると、それを無害化しようとする反応(抗原抗体反応)がおこります。その結果、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が出てくる病気をアレルギー性鼻炎といいます。その中で、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、アレルギー症状を起こす病気を花粉症といいます。季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。 アレルギー性鼻炎は、漢方では「鼻鼽(びきゅう)」といい、先天不足(体質の虚弱)、臓腑虚損、感受外邪などにより、鼻流清涕(透明な鼻水)、噴嚏 […]

頭痛

頭痛とは臨床上よく見られる自覚症状の一種で、頭痛を引き起こす疾病は非常に多くみられます。西洋医学でも、頭痛専門の頭痛外来も多くなり、頭痛で悩んでいる患者さんは増加しています。 漢方では、頭の痛みを主症状とするものを均しく『頭痛』と称し、頭痛が劇烈で、発作が反復して起こり、久しく治らないものを『頭風』といいます。さらに、頭蓋内の器質的病変による頭痛を『真頭痛』と称します。 痛みの発生のしくみ 漢方では、頭痛に限らず、様々な痛みの原因を「不通則痛」と「不栄則痛」に分けて考えていきます。 不通則痛…通 […]

ガンと漢方薬

昨今、ガン治療や抗ガン剤の是非について、様々な書籍や情報があふれています。薬局店頭でも、「ガンには、どんな漢方薬が良いのですか?」といったお問い合わせも少なくありません。 また、気になることの一つとして、お問い合わせの患者さんの中に、漢方と信じて、サプリメントを服用している例が多いことです。これらのサプリメントは、本当に効果があるものであれば良いと思いますが、「ガンには、○○が良い!」とか、「○○で免疫力UP!」などのキャッチフレーズを武器に、実際は大した臨床データや裏付けの無いものも多く見られ […]